二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.gray-man -消えた扉- ( No.25 )
日時: 2012/05/10 19:13
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

       第十三話 -アソコ-



沙「着いた・・・」
ア「あっという間でしたね」
リ「そうねw」

広がるのは、緑の木々
風に揺れて、葉の合唱会だ

沙「いこ。アルゼンチンへ」
リ「ええw」

いくらなんでも、ここからアルゼンチンは遠い
速くて1泊2日だと想う


ア「あ、沙羅ってブラジル出身ですよね?」
沙「うん。そうだよ」
ア「宿屋とか・・・色々知りませんか?」
沙「・・・覚えてない。それに・・・ブラジルなんて行きたくない」
ア・リ「??」

お父さんに・・・
出会ってしまうかもしれない

会いたくない
お母さんを見捨てた男なんて・・・

でも

沙「''アソコ''なら・・・帰りに寄るよ」
ア「アソコ?」
リ「アソコって?」
沙「・・・行ったらわかるよ」

桜の咲く
あの山奥

          -アルゼンチン-

宿も見つけ、また沙羅達は歩き始めた
そして、アルゼンチンへと到着した

国に入った途端見えたのが、大量のアクマ

沙「な・・・っ」

アルゼンチンに来るまで

パラグアイ
ボリビア

これらの国からずっとアクマを破壊し続けてきた

アクマの発進地はここ、アルゼンチンだったのだ

全「イノセンス発動」

リナリーの黒い靴
美しく宙を舞い、太陽と重なる

アレンの大きな左腕
赤い腕が変わり、銀色の腕を振り回し、アクマを破壊する

沙羅の桜吹雪
手から流れ出るオーロラを振り回すと同時に、桜も同じように動く


これだけ倒しても、まだアクマが耐えることはない

1時間して、やっと片付いた

沙「アクマは別の場所に向かってる。そこに向かおう」
ア「はい」
リ「パラグアイ・・・ボリビア・・・・・・。つなぐとしたら、ブラジルかしら」

沈黙が流れる
沙羅が嫌がっていた、''ブラジル''

沙「・・・いいよ。ビンゴだったら、ついでにアソコにも行けるし」

そう言って、沙羅は残念そうに歩いていく
アレンとリナリーは、その背中を心配そうに見ていた
弱々しい、その小さな背中を

          -ブラジル-

ア「大量のアクマの気配がします。きっと、ここが・・・」

リナリーの予想は見事に的中した
沙羅とリナリーは、走るアレンについて行く

沙「・・・ぇ?この道は・・・———」

見覚えがある
歩き覚えがある
懐かしい臭いがする
懐かしい感情が芽生えてくる

        この気持ちはなんだろうか

沙羅はふと思い出した
この道は
この上へ上へと続く坂道は
間違いなく

        ''アソコ''へとつなぐ道だった