二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.gray-man -消えた扉- ( No.250 )
日時: 2012/08/28 10:41
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

第四章    第七十六話 -合い言葉-




悠が言ってくれた
私達の未来を描く本があるって

その本には
幼い頃に作った
すべての合い言葉を言えば
扉は開くと

・・・小さい頃の
合い言葉

悠「桜と紅葉から産まれた 絆と言う名の友情」
沙「我等の世界は無 我等が存在することさえも無」

・・・これが全てだ
二つだけだけど
これが全てなのに

開かない

沙「なんで・・・?」
悠「・・・あ」
沙「え?」
悠「千年伯爵率いるノア」

悠が目訴えてくる
アクマに呪われたその目で

でもわからない
何が言えば良いのか

でも
とっさに
頭によぎった言葉を口にしてみた

沙「イノセンス率いるエクソシスト」

虹色に輝くその桜は
虹色に輝く扉に変わった

扉は開いて
私達を迎えている

沙「・・・悠」
悠「いよいよだね。・・・・・・・・・・・・・・・行こうか」

微笑む悠は
久しぶりに見た

そのささやかな笑顔に
私も微笑み返した

扉に入ったら
光が私達を引き離してくる
でも
互いの名は呼ばない

また会えると信じているから
また笑えると信じているから
また話せると信じているから

その繋がれていた手を
互いに離した


———沙羅・・・沙羅
・・・肬?
———よかった。気づいたんだね
うん。ゴメンね・・・首を・・・私が・・・
———そうなる運命だったんだ。私が望んだ未来なんだから・・・沙羅が責任感じる事はない
・・・ありがとう、肬。大好きだよ
———・・・ボクもだ





———悠
肬か。やっぱり、扉としては生きてるんだな
———正確に言えば、僕は扉そのものだ
ふぅん。・・・僕等を引き離してくれてありがとう
———は?
ようやく・・・願いが叶うから
———どういう意味さ
知ってるだろう?ボクは小さい頃、この扉に入ったってこと
———・・・記憶あったのかよ
ふふ。扉の中で、ボクはバンドメンバーを集めてたんだ
———なんで?バンド・・・?
ボクと沙羅は、将来バンドを組む夢を持ってた。だから・・・サプライズしたかった
———なんのサプライズ?
見ておきな。その内わかるからさ〜





目を開けたら
私は一人ぼっちだった
誰もいない
一つの民家に横たわっている

沙「悠・・・?どこ?」

机には
桜の枝を添えられた
一つの手紙が置いてあった


  ''公民館で待ってるよ。きっと沙羅ならわかるさ   悠''

沙「きっとって何・・・馬鹿」

手紙をちょっとした怒りで
切り裂いた

扉を開けると
そこには誰も居なかった

むこうに人だかりが見える
もしかすると、あれが公民館

公民館で、何があるのだろうか