「…っと、よし。帰ろうか、もっくん」陰陽師の仕事を終わらせた昌浩が言った。「そうだな」そうして、しばらく無言で歩いていた一人と一匹だが、昌浩がその沈黙を破った。「ねえ、もっくん」「んー?なんだ?」「うん…。彰子、何を隠してると思う?」「…えっ!?」 明らかに物の怪に動揺が走ったのを、昌浩は見逃さなかった。「…怪しい」「気のせいだよ!帰るぞ!昌浩!!」「うーん………」 昌浩は一人だけ仲間外れにされている気がしたが、それを気のせいだと思うことにした。