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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.102 )
- 日時: 2012/05/30 18:33
- 名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: bOX/HSBq)
昌浩は、勾陣を探して、安倍家をうろうろしていた。
「この家、広すぎるんだよなぁ… 」
そう呟いたとき、女性の声が聞こえてきた。
「どうすれば… 良いんだ——?」
見ると、勾陣が一人でぶつぶつと何かを呟いていた。
——どうしたんだろう?
そう思いながら、昌浩は声をかけた。
「何しゃべってるの?」
すると、勾陣は大袈裟過ぎるほどに驚いた。
「うわっ !! …ま、昌浩」
「大丈夫? 勾陣」
昌浩が首を傾げて訊くと、勾陣は「大丈夫だ」と言って辺りをキョロキョロと見回した。
「昌浩… 、その、騰蛇は、どこだ?」
——なんでそんなことを訊くんだろう?
そう思いながらも、昌浩は素直に答える。
「じいちゃんに呼ばれて、今、話してるよ」
「そうか」
ここで、勾陣はなぜか溜め息を漏らした。——それも、安心したような。
「 …で、何の用だ? …昌浩」
色々と気になる昌浩だが、勾陣が訊いてきたので、取り敢えず置いておく。
「うん。今日の夜警には、勾陣にも来てほしいな、と思って… 、良い?」
「あぁ、そんなこと——」
一瞬固まった後に、勾陣が大声を出した。
「——駄目だ!」
「えっ !? 何で?」
突然大きな声を出した勾陣に驚きながらも、昌浩は訊いた。
「えー、それはだなぁ………」
勾陣が言葉を濁す。渋い表情で何かを考えたあとに言った。
「ちょっと、今日の夜は、用事が詰まってて… 」
「あ、そうなんだ」
——それなら、仕方がない。
「ごめんね。無理なこと言って… 」
謝ると、勾陣は笑顔で返してきた。
「いや、全然」
なんとなくおかしい勾陣だが、昌浩は敢えて何も触れない。
「 …じゃ、六合にでも頼もうかな?」
そう呟きながら、昌浩は自室へ戻っていった。
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