二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.113 )
日時: 2012/07/03 11:27
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: bOX/HSBq)

「…いっつも思うんだけどなぁ、昌浩」
「なぁに? もっくん」
「車之輔はどうも乗り心地がよろしくない」
「そんなこと言うな!」
 そのとき、がったん、と妖車は跳びはね、乗っている昌浩と物の怪は天井に頭をしたたかぶつけてしまった。
「あのさー、最近は自動車という良い乗り物があるんだぜ? それなのに、なんだって牛車だ?」
「そんなこと知るか! 車之輔に訊いてくれ!」
 再び、がったん、と跳びはね、頭をぶつける。
「あー、痛いねー。しかも、酔いそうだー」
「物の怪のくせに、何が酔うだ!」
 がらがらと妖車は進む。
「こんな状態で妖とは戦えないぜ」
「ふざけるな、もっくん。まぁ、六合がいるから大丈夫!」
「もっくん言うな。六合ばっかに頼るなよ。自分で何とかしろ、晴明の末裔!」
「末裔言うな!」
 妖車に合わせて走っていた六合は、二人の会話を聞いて、微かに口端を上げた。