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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集【参照1000突破感謝】 ( No.117 )
- 日時: 2012/07/06 12:22
- 名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: KTH/C8PK)
参照1000突破記念小説★祈りと願い
「ねぇ、昌浩。明日、晴れるかしら?」
突然の彰子の問いに、昌浩は首を傾げた。
「…さぁ、最近、雨が続いてるから、明日も雨かも——って、どうしたの?」
すると彰子はにっこりと笑った。
「うん。ほら、明日は七夕でしょ?」
彰子のその言葉で、昌浩も合点が言った。
七夕——七月七日は織姫と彦星が一年で一度だけ会える、唯一の時間なのだ。しかし、雨が降っては、二人は会えない。だから、彰子は晴れてほしいと思っているのだろう。
「…けど、一年に一度だけしか会えないなんて、寂しいわね」
「…え?」
「私だったら、昌浩と一年も離れられないと思う」
彰子の小さな声に、昌浩は顔が熱くなるのを感じた。
「私、今、昌浩の傍にいられて、とっても幸せ——」
「あ…きこ——」
「これからも、ずっと傍にいてくれる?」
彰子の問いに、昌浩は頷いた。
「もちろんだよ」
そして、言った。
「絶対に傍にいるよ」
それは、小さな祈りで、小さな願い。
ずっとずっと、傍にいる。
大切な貴方の傍に——。
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