二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.140 )
日時: 2012/08/21 09:47
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: eahZ4LLD)

 紅蓮は、妖怪と睨み合っていた。
 妖怪はいつ襲いにかかるか計っているようだった。紅蓮は緋炎の槍を軽く振った。
「来るならとっとと来い」
 すると、妖怪は牙を剥いて紅蓮へ向かって走り出す。
 紅蓮は、緋炎の槍を一文字に切り裂いた。妖怪の身体が吹っ飛んだが、すぐさま体制を立て直し、再び紅蓮に向かっていく。
「紅蓮、後ろ!!」
 昌浩の声が聞こえた。
 後ろから妖怪が来るのが感じられた。しかし、前からも妖怪が迫ってきている。
 その時。
「騰蛇、お前も弱くなったなぁ」
 溜め息混じりの声。
 強い神気を感じ、紅蓮は口端を上げた。そして、緋炎の槍を薙ぎ払う。
「ふざけんなよ!」
 妖怪の身体が吹っ飛ぶ。それは木の幹にぶつかり、動かなくなった。
 それを確認してから、紅蓮は後ろを振り返った。ちょうど勾陣が妖怪の首元を筆架叉で両断したところだった。
「……勾。俺はなぁ、炎が使えないから——」
「そんなのただの言い訳だ。私は言い訳など聞きたくもないな」
 勾陣は紅蓮、の言葉を遮って言い、筆架叉を一振りし、再び構える。
「騰蛇、この妖が辺りに沢山いる」
「……馬路かよ」
 そう言う紅蓮も薄々気が付いていた。辺りには狼のような妖怪がこちらを睨んでいる。
「……やるしか無い、ってか」
 仕方が無いと言うように嘆息を吐き、緋炎の槍を強く握り締めた。
「行くぞ、騰蛇」
「あぁ」
 その言葉を合図に、紅蓮と勾陣は妖怪を叩き潰し始めた。