二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.15 )
- 日時: 2012/04/20 12:00
- 名前: 羽月 (ID: AzXYRK4N)
「ハッピー・バースデー!昌浩!」
パンっと破裂音がして、紙吹雪が舞う。
「…なっ——」
昌浩は呆然とその場に立ち尽くす。
「昌浩。お誕生日、おめでとう」
「彰子…」
そこで昌浩はやっと思い出した。
今日は、自分の誕生日だ。
いろいろと忙しくて、忘れていた。
「あ…、彰子。それから…、みんな。……………ありがとう」
昌浩が照れながら言った。
「…昌浩」
「——っと、よーし!それじゃあ、夜ご飯でも食べよーぜ!」
朱雀が言った。
「今日は、俺の天貴が腕によりをかけて作ったんだからな!有り難く思えよ」
昌浩を椅子に座らせながら、朱雀が自慢気に言うのに対して、勾陣が突っ込んだ。
「…作ったのは、天一だけではないだろ」
「誰が作ったの?」
昌浩は訊きながら、六合か天后か白虎が良いなあと思った。その三人は、料理が上手だ。
「六合と天后だ。…あと、白虎も少し手伝っていたかな?」
勾陣が答えるのを聴いて、昌浩は心のなかでガッツポーズをした。
——やったあ!
それなら、今夜のご飯は期待できるぞ、と思っていると、天后と天一、それに朱雀が料理を運んできた。
「さあ、召し上がれ」
「うわぁ!」
昌浩は目の前に置かれた料理を見て、感嘆の声をあげた。
メインディッシュのローストビーフに、コンソメスープ、焼きたてのクロワッサンが山積みに。グリーンサラダに、オムレツ、ピザが二種類と、ミートソーススパゲッティなどなど。
「すごい!美味しそう」
だけど。
「………ちょっと、多すぎない?」
昌浩の呟きに、ギクリとする、朱雀、天一、天后、白虎、六合。
いくら何でも多すぎるだろう。この家にいる人物は多いが、ほとんどが人外だ。十二神将は基本的に食物を摂らなくても大丈夫だ。つまり、この料理を食べるのは、昌浩と、その祖父である晴明、昌浩の両親の吉昌と露樹、それと彰子だ。
「だから、多すぎると言っただろう…」
白虎が額を押さえて溜め息をつく。六合も、その通りだ、と言わんばかりに頷いている。
しかし、朱雀がニヤリと笑って言った。
「でも、大丈夫!」
次の瞬間、タイミングよく、インターホンが鳴った。