二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.18 )
- 日時: 2012/04/20 17:15
- 名前: 羽月 (ID: XHLJtWbQ)
と、勾陣がリビングから出ていき、玄関の扉を開ける音がした。
玄関で勾陣が客と話しているようだが、リビングから玄関は離れているので、誰と話しているのか分からない。
少しの間を置いて、リビングのドアがガチャリと開いた。と、そこにいたのは。
「お誕生日おめでとう!我が弟よ!」
「あ…!成親兄ちゃん、昌親兄ちゃん!」
昌浩と年が一回り以上離れた兄が二人、ニコニコと話しかけてくる。
「俺の弟も、もう十六歳か!」
「大きくなったね、昌浩」
成親が昌浩の頭をわしゃわしゃと撫で、昌親はそれを笑顔で見ている。
そうしているうちに、再びインターホンが鳴った。
先程と同じく、勾陣が客を出迎えに行き、少しの間のあと、客を連れて戻ってきた。その客は——。
「お誕生日おめでとう、昌浩」
「螢!夕霧も!」
にっこりと笑って、螢が言った。
「久しぶり、昌浩」
「うん。本当に久しぶり」
螢は、ここ東京から離れた、兵庫県に住んでいる。だから、前に会ったのは何年か前だ。
「こっちに来てたんだ?」
昌浩が訊くと、螢はにっこりと笑って答えた。
「うん、春休みで学校は休みだし、こっちに遊びに来てたんだ。昌浩に連絡しようと思ったんだけど、彰子から誕生日パーティーのこと聴いて…驚かそうと思って内緒にしてた」
ぺろっと舌を見せる螢。
「へえ、そうなんだ。…てか、学校はいつから?俺らのところは今日からだったけど…」
「ああ、学校によって違うからかな?私のとこは次の月曜日から。だから、明後日に帰るんだ」
「ふうん。そっか」
と、またまたインターホンが鳴った。
「一体、客はどれだけ来るんだ…?」
昌浩の呟きに全員が苦笑いした。と。
「ハッピー・バースデー!」
「比古!!」
比古は昌浩より一つ年上だが、昌浩ととても仲が良い。ちなみに、比古も昌浩や彰子と同じ、清涼学園に通っている。
「じゃあ、全員集まったし、ご馳走でも食べろよ!美味いぞー」
にっこりと笑って朱雀が言った。