二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.33 )
日時: 2012/04/27 19:58
名前: 羽月 (ID: lwQfLpDF)

「ただいまー」
「お帰り。昌浩、彰子」
安倍家に帰ると、いつものように十二神将の一人である勾陣が二人を出迎えてくれた。
「課題テストはどうだった?」
勾陣の問いに、遠い目をした昌浩に代わって、彰子が答えた。
「昌浩ってば、全然出来なかったんだって」
「それは… 大丈夫なのか?昌浩」
顔をしかめる勾陣に、昌浩が言った。
「大丈夫じゃない!」
「な…」
「俺、絶対補習だよ……」
本当に悲しそうな表情をする昌浩に、勾陣は目を見張った。
「補習って… 、まあ、良いじゃないか」
他人事のように言う勾陣に、昌浩は半ば怒りながら返した。
「全然良くない!」
そうして、バタバタと自室へと入っていった。
「 …おいおい、どうしたんだよ」
呆れ気味に言う勾陣。物の怪はぽつりと呟いた。
「だって、なあ…」
「ん?何か言ったか?騰蛇」
「いや、何も。 …それより、彰子。昨日の残りのケーキでも食べろ。そして、ついでに——」
「ついでに?」
首を傾げる彰子に、物の怪は言った。
「昌浩のところにも持っていってやれ」
補習のせいで、お前と一緒に帰れなくなって、機嫌の悪い昌浩のもとへ。