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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.34 )
- 日時: 2012/04/29 03:46
- 名前: 羽月 リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: LkHrxW/C)
「昌浩!ケーキ持ってきてあげたわよ!」
彰子がトレーにケーキとコップをのせて、昌浩の部屋に入ってきた。
「………ケーキか」
昌浩が半眼になって呟いた。
実は、昨日の昌浩の誕生日で皆が買ってきてくれたケーキはまだ食べきれていない。
「はい、食べて」
にっこりと笑って、彰子が言う。
「…うん」
昌浩としては、ケーキは昨日で食べ飽きたので、しばらく見たくはなかったのだが。
「食べるしかないよな」
小さな声で呟いて、ケーキを食べ始める。
甘さが口の中に広がる。
「ねぇ、昌浩…」
「うん?」
昌浩は顔を上げて、彰子の顔を見た。
「さっきは何で機嫌が悪かったの?」
「………………え」
昌浩は文字通り固まった。
「ねぇ、何で?」
彰子が首を傾げて訊いてくる。
「…え…と、いや、あの——」
なんとか笑顔を浮かべながら、昌浩は必死に考えた。
そんなの、言えるわけないだろ——!
しかし、そんな昌浩の心の叫びは彰子に届くはずもなく。
「そ…それより、ほら!早くケーキ、食べよう !? 」
なんとか話題を反らす昌浩であった。
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