二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集 ( No.58 )
日時: 2012/05/02 19:41
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: AzXYRK4N)

 参照400突破記念小説『今日の俺はついてない』を読まないと話がわからないかもな。まあ、読まなくてもわかると思うけど。わからない人は>>56へ。by物の怪のもっくん

「と言うわけだけど。彰子。明日、どこ行く?」
 リビングで本を読んでいると、突然、昌浩が訊いてくるので、彰子は驚きながらも、本にしおりを挟みながら答えた。
「うーん…。特に、どこでもいいけど…。昌浩は、行きたい所ないの?」
 その問いに昌浩も「うーん」と唸った。
「別に………」
「………」
 つまりは、行く所がないという。
 その時、インターホンが鳴った。
 昌浩と彰子と一緒にリビングでくつろいでいた勾陣は、その音を聞いて玄関へ出ていった。
 誰が来たんだろうと思いながらも、昌浩は違うことを口にした。
「どうする?」
「どうしようか…」
「紅蓮、どうすればいい?」
「…何故俺に訊く?」
 新聞を読んでいた紅蓮が半眼になる。
「だって…決まんないし」
「だからってなぁ…」
 「面倒事を俺に押し付けるな 」と言って、再び新聞に目を落とした。
「はあ…。困ったな——」
 昌浩がそう呟いた時、リビングのドアが開いて勾陣が戻ってきた。
「行く所は決まったか?」
 入ってくるなり訊いてくる勾陣に「まだ」と答えると、彼女はピラリと何かの紙を昌浩と彰子に見えるようにした。
「えーっと、何それ」
「チケット…?」
 勾陣が二人の目の前にそれを差し出した。二枚あるのか。
 そして、それには、遊園地割り引き券、と書いてある。
「……って、勾陣、これ、どうしたの?」
 昌浩が訊くと、勾陣はニヤリと笑って言った。
「さっき、新聞屋が来てな。これをもらった」
「へえ」
「だから。遊園地でデートしてこい」
「………なっ! デート!?」
 すっとんきょうな声を出す昌浩と、顔を真っ赤にする彰子を見て、勾陣と紅蓮は笑った。