二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師パラレル現代版★短編集【参照500突破】 ( No.68 )
日時: 2012/05/04 13:53
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: 7H/tVqhn)

 ——なんで、紅蓮と勾陣が遊園地(ここ)にいたんだろう…?
 不思議に思う昌浩だが、それは深く考えないことにする。
「ねえ、昌浩」
 隣を歩いている彰子が、自分の名前を呼んだ。
「え? 何?」
「どこ行くの?」
「 ………え」
 何も考えずに、ただ紅蓮と勾陣から離れることを考えていた昌浩は、行くあてがないことに気がついて、足をとめた。
「 …どうする?」
 取り敢えず彰子に訊いてみる。
「 …別にーー」
「あ、そう」
「……………」
「……………」
 二人の間に気まずい沈黙が流れる。
 その沈黙を破ったのは、彰子だった。
「 …昌浩って、何も考えてないのね」
 静かな声音。
「 …… え?」
「もういい。帰る」
 その言葉に昌浩は目を見開いた。
「 …なんで—— !?」
 しかし、彰子は人混みの中を歩いていってしまう。
「あ …きこ ……」
 追いかけようとするが、人が多く、思うように進めない。
「——彰子!」
 彰子は、人混みに紛れて、見えなくなってしまった。
 昌浩は俯いた。
 ——自分が、しっかりしていないから、彰子を怒らせてしまった …。