二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: いつまでも君を〜〜  銀魂 ( No.73 )
日時: 2012/11/14 19:50
名前: 音羽 (ID: MgUgGnIS)

第四十二話

「この赤ん坊、どうする?」

女の言葉に、一瞬沈黙が落ちる。

「アンタのとこで育てたらいいじゃないの」
「冗談言わないで。3人も子供いるのに、無理に決まってるじゃない。そういうあんたは」
「私だって、子供いるわよ」

わいわい。

銀時を囲んで、押し付けあう。

「大体、ただでさえ今生活苦しいのに。この上こんな赤ん坊来られてもこまる」

「本当にね。…そういや、この子、名前なんていうの?」
「銀時らしいよ」

「銀時? ふーん……」

「ね、ほんとどうするよ」

女たちが口を動かし、それを迷惑そうな顔でみやる男ども。

話し合いはなかなか終わりそうもなく、それぞれがそれぞれに押し付けあいつづけ。

しばらくたった。

「あのさ、一つ考えたんだけど」

一人、手を挙げて言った。

「さっきこの子を抱いていた女の人いたでしょう? あの人に任せたらだめ?」

賛同の声が上がる。

「いいじゃないそれ」「一番平和的」「そうしちゃおうよ」

「…ちょっとまってよ」

銀時を抱き続けている女が賛同の声を遮った。

「そんなことしたら、私たちが悪者みたいじゃないの。赤ん坊ひとり育てられない心の狭い連中なんて言われたら迷惑だわ」

「じゃああなたが育てればいいんじゃないの?」

「でもうちは今2人坊主がいるのよ。これ以上増やすつもり?」

「うちは3人いるわ」

結局また話は振出しに戻り…。

醜い押し付け合いが続いた後。おのおのが引き取れない言い訳を延々と述べた後。

銀時は、とある中年の夫婦の家へと引き取られることになった。

その家は、2人の息子がいる、剣道場を営む、割と裕福な家であった。