二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: いつまでも君を〜〜  銀魂 ( No.87 )
日時: 2013/01/09 20:14
名前: 音羽 (ID: kQ3WV6WF)

第四十九話



 その、夜のこと。

 銀時の運命が変わる夜であり……また、銀時の人生を決めた夜でもあった。




 離れでうとうととしていた銀時は、母屋から聞こえてくる喧噪で目を覚ました。男の怒声や、子供の悲鳴、慌ただしくかけ回る足音。

 ……そして、バリバリバリ、という轟音。

 何事かと裸足で地面へ降り、母屋へ視線を向けると、つい一刻前までは想像もしなかったような色に空が染まっていた。赤い、赤い色……。
 ちろり、ちろりと炎が見え隠れし、木造の母屋の壊れる音と、住んでいる人々の叫び声が耳を突く。

 正門から逃げるには炎が強すぎ、とても逃げ出せる状況ではなく…。

 母屋の方は完璧に火に囲まれているようで、この離れに火が回るのも時間の問題。

 ———逃げてやれ。

 銀時は一心不乱に、走る。

 母屋と離れをつなぐ渡り廊下にある、裏口に。

 


 暗い中で垣根に足をとられながら、つまづきながら、走って。




 火に飲み込まれそうな母屋につき、裏口から出ようとした時だった。