二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: いつまでも君を〜〜  銀魂 ( No.98 )
日時: 2013/02/21 19:05
名前: 音羽 (ID: 6.Nua64i)

第五十三話

「忘れろ……って、ンなことできるか。お前ここまで話したんだったら最後まで話せよ」
グラサンの奥から真剣味を帯びた目でこちらを見ている坂本に、銀時はつめよる。それに若干呆れたように目を細めてから、坂本はアハハハと笑った。
「金時、おまんそんなに知りたいんか。しゃーないのう。いっぺんしか話さへんきに耳の穴かっぽじってよぅく聴いとけや」
そして、坂本は静かに説明し始めた。

銀時が25年前にタイムスリップしたこと。
そこで親切な夫婦に出会い、夫と一緒に戦場へいったこと。
戦場で夫が深手を負い、自宅へ辿り着いたこと。

奥さんは、子供を身籠っていたこと。

そんな話を黙って聞いていた銀時に、坂本は話し終え、続けて聞いた。

「……憶えちょうか?」

しばらく黙り、銀時は顔をあげて首をすくめる。

「さーな。……別に隠すことじゃねーだろうがよ? 何お前、俺が傷つくとか思ってたの?」

さぞかし幸せな夫婦だったんだろうな、とつぶやいて。

銀時は文字通り、坂本を蹴り飛ばした。

「いてっ…おまん何するが! せっかく人が心配してきてやったいうに」

「うるせーよてめえに心配されるなんぞ気味が悪い。さっさと帰れ、ガキどもが帰ってくるだろ」

そう銀時が吐き捨てた、その時。突如万事屋上空から轟音が響き渡り、スピーカーを通した声が聞こえた。

「オイ、さっさと帰ってくるが。ぶっ飛ばすぜよ」

「げ、陸奥じゃ」

「ほら迎え来てんじゃねーか。帰れよ」

陸奥の急かされ、銀時に蹴られながら、坂本はしぶしぶ船へとのりこんだ。