二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪ ( No.4 )
日時: 2012/07/01 08:20
名前: 燕去 (ID: eXWZ7ycO)

Ⅰ曲目

カーテンが風で揺れる。
ベットの上で微睡んでいる少女に光がスポットライトのようにあたる。

「涼〜。早く起きなさい〜。今日はアリス学園にいく日ぃやろ〜。
 ご飯いらんのか〜?」

「はいはい。わかってるから。怒らんといて〜な。」

気怠そうな声が聞こえた。
漆黒でサラサラの髪が身体に纏わりついている。
そんな声でも美しく聞き惚れる。
少女の名前は、花朝涼。
平安貴族のように淑やかな容姿をもっている。

「ご飯食べてからでもいいやろ?」

ここは京都市内にある花朝神社。
代々アリスゆう不思議な力をもった者が生まれる家として有名どす。
不思議なだけやのうて世界に数万人しかおらへん、めっちゃ珍しいもんらしいねん。
その珍しい力をもった者たちが集まるところがアリス学園。
ここ花朝神社もアリス学園にマークされてて、スカウトされてるっちゅう訳。
けど、うちのご先祖さんがアリス学園の校長先生と、

「うちの子供が10歳になるまではスカウトされてもアリス学園に入れない。
 それまでは、家の手伝いをさせ、学校にも行かせない。」

と、約束したため、学校に行かず家の手伝いをしているっちゅう訳や。
アリス学園にいくんは初めてじゃないから、あんまり緊張しいひんのやけどな。

「涼〜、はよ起きんかい!!!!!!!!
 ご飯抜きやで!!!!!!!!!!!」

「んな、アホな話があるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

そんなこんなで急いで朝ご飯を食べて、お父はんが待ってる本道へ急ぎます。
本堂……
本堂兼道場は
とても
とても
とても
広い……。

しかし、そこに行くまでが遠いねん。
だいたい5Kmぐらいあります。
遠いでホンマに。遠いで。

その道のりを軽々と走り抜け本堂の扉を開けると、お父さんが正座をして待っていました。

「遅れて…
 申し訳ございませんでした。」

「いや、今日はそないに急いでないさかい、大丈夫や。
 それより……行けるか………?」

「またそんなこというて〜。この服見たら分かるくせに〜。
 そないに心配しんといてください。調子がくるってしまいますわ。」

今うちが着とんのは、巫女服。
うちが巫女服を着ているということは、次期跡取りという訳。
ほんまは、雪消兄ちゃんが継ぐはずやったんやけど…。
留学中というかアリス学園におるから、今おらん。
弟の天雅も生まれたばっかりやさかいに、残っとるうちが跡取り代理ということになってます。
基本的には女がなることはないんやけれど、うちは特別なんやて。

「今日のお前の仕事は…
 10人を黄泉の国に送り届けることと、15人の怪我を治すことや。
 いつもよりは少ないが、気ぃ抜くなや。」

「わかっとる。うちはそこまでぬるうないわ。」

うちの仕事は、亡くなった方を黄泉の世界に送り届けること。
それと怪我を治すこと。
それができるのは、この歌の力のおかげなんです。

「それでは……

 はじめさせて……

 いただきます……」