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第３話　愛




僕のこと　嫌いですか


声は　届きませんか


それでもきみに　ささげよう


僕の　愛の歌


僕の　心を君に





私の家族は、人魚の両親です。両親はもうすぐ生まれる私を心待ちにしていました。両親は、魚人島のはずれで慎ましく、でも幸せに暮らしていました。両親の友達の魚人、人魚、人間も来ました。祖父や祖母も。みんなが私の生まれる日を、待っていました。ただただ、幸せでした。


でもある日、人さらいが来ました。父を殺して、母とまだ生まれていない私と連れ去りました。母はこの会社に買われました。そして私が生まれると、母は生贄に、私は社長令嬢として手厚く育てられました。


私は一人ぼっちだった。いつもいつも、寂しかった。でも２年前、ルフィ様の手配書を初めて見たときに、なぜかとてもうれしくなったんです。この人なら、また私をここから救ってくれる・・・


「・・・また？」



私は思い出しました。幼いころに、逃げ出したくてたまらなくなって時空旅行に行った時に出会った３人の少年を。崖から落ちかけた私を必死で掴んでくれた。でも私はすでに後を追ってきた社員に時空から腕を掴まれていました。離したくないと、必死で掴んだけれど…駄目だった。引きはがされてしまった。その時見た顔。私は未来を見た。時空の片隅で見たのかもしれない。その少年は世界を変える。私を変えてくれる。私をここから…私の手をまた引いてくれる。今度こそ




「この手を離さないで・・・。」