二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: NARUTO-夜光伝 ( No.6 )
- 日時: 2013/02/28 14:36
- 名前: 銀春 (ID: VJEgN8CS)
【今とこれから】
もう3月中旬だというのに まだ、外を吹く風は冷たく
少々楯突きの悪いふすまの隙間から中庭に小さく咲いた白梅(シラウメ)の甘酸っぱい香りという小さな春の便りと共に冷たい風が部屋へと吹き抜けては、また何処かへ行ってしまう。
横を向けばクレハが相変わらず真剣な表情のままこちらを見つめている。
「主よ…その、なんじゃその…(やはり、まだ……もう少しこのままでも……)」
「なぁ〜話ってなんだよ?」
「……。」
「クレハ?」
「あ、いや…やはり何でもない、さっきの話は忘れてくれぬかのぉ〜。」
そう言いクレハは、笑い何処かへと行った……いや、ただ何かを誤魔化した。それだけは、雰囲気で何となくたが読み取れた だが、ハルはあえて気づいてないフリをした。
「あっそ、じゃ そろそろ行ってもいい?あんま長居するとおばさん達とかが、“いろんな意味”で心配とか迷惑とか多分していると思うし(今日は、確か…家に居るのは、サスケとおばさんの2人だけか……)」
じゃぁ〜また〜と笑い軽く手を振るとそのまま振り返らずにうちはの敷地の方へと足を進めた。
「おい!じじぃ!!」
ハルが行ってしばらくして今まで黙っていたシグレが奥のクレハがはったであろう部屋へ勢いよく入ってきた。
「……いざ、会ってみるとのぉまだ、継ぐにはやはり幼すぎる…それに、あの継承の義に耐えきれるとは思えんのじゃ」
ふぅ〜と小さくため息をつきながら立ち上がり中庭の見える廊下へ出た。横を見るとシグレは、拳を固く握り締めていた。
「…………あいつは、そんなに弱くない。」
「?…お前も知っておるじゃろぅ あれは並大抵の精神では出来ない。それにもし失敗すれば精神崩壊は、免れぬ…それに成功したとしても大半は、そのせいで全くの別人のようになった者もいるくらいじゃ“それくらいは、お前も分かっているはずじゃ”」
「ごちゃごちゃ、うっせぇんだよ!(あんたにあの子の何が分かんだよ) んなことくらい俺だって分かってんだよ!(俺はあんたよりは、知ってんだ)」
「わしも主が何も弱いとは言ってない…じゃが、主は既に何かを抱えてこんでる様な気がしたのじゃ」
「なんだよ抱えているものって?」
「知らんよ。わしにも分かるモノと分からんモノがある。」
「なんなんだよ、結局なにが言いたいんだ?」
「ように何も知らなくともただ笑っていてくれれば、今はただそれだけで良いそう思っただけじゃ」
言い終わるとクレハは、外を見上げた。それにつられシグレも上を見上げた。
見上げた空は、雲一つないどこまでも高くどこまでも青く透き通ったそらだった。