二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第01回SS大会 ( inzm ) 投稿期間5/19〜6/2 ( No.7 )
日時: 2012/05/20 21:14
名前: アーシェ (ID: ZGo4Gnz1)
参照: いきなりきて、いきなり参加します^^;




彼女は強がりで責任感も強い人だった、成績優秀で理事長の娘で
他の人から見たら何もかも整っている人に見えるはずなのだが、実際俺がそうだった
だが彼女は誰よりも強く気高く意地っ張りで——その分誰よりも不器用で脆い人だった
家事が苦手だったのはしょうがないとは思ったが、いろんな意味で不器用だった
いつも冷静近着なのに、時々一人で泣いてるのを見かける、それに心配性になる事もある
そして俺が何より驚いたのは、彼女が思いを寄せた相手に一途だという事だった
最初は敵対する、と言うより彼との出会いはあまりいいというものではなかったと聞いたのに
そんな彼女が今俺の目の前でただ一人でつぶやいていた



「恋って難しいわ、暖かくて辛くて、思ってるだけでも苦しいときがあるなんて」



こう言う時は口を挟まないほうがいいのを俺はもう学習していた



「それに、誰もが幸せになれる恋なんてないのに、わた、しは」



声が今にも泣き出しそうだった、いやすでにないている
彼女は彼と両想いだった。でもそれは同時に——彼女の親友の失恋をさす
彼女はそれを知っていた、彼女達の思いを知っていたからこそ今返事に困って悩んでいる



「嬉しいのに悲しいの、私だけ幸せになっていいのかしら、あのひとたちのおも、いを」



それはあの時俺にあの言葉をつげたときの彼女とは正反対であの時の
淡々と僅かに微笑んで話す彼女と今の彼女は違って見えた
こんなに苦しんでいるのにそれでいて他の人を気遣うのはすごいと思う
普段は意地っ張りなくせに陰ながら努力家で優しい
だからこそ俺はそんな不器用な彼女の為に何か言ってやることしかできない


「お前が幸せにならないと、他のあいつを思ってた人たちも悲しむんじゃないか?」
「・・・・で、も」
「・・・誰だって大好きな人にはしあわせになってもらいたいだろう」


そういった瞬間彼女は少し微笑んでうなずいた、——涙をこぼしながら


「・・・・・・あり、がと、う」


もうここにいちゃいけないと思ってすぐに立ち去った——そうしないと悲しくなる




俺も彼女が好きだった、誰よりも強がりで優しくて儚い彼女の事が
でも最初見たときすぐに分かった、あいつは彼に——俺の親友に惹かれているんだと
まぁかれは鈍感で気付かなかったがそれでも一途に彼を思い続けてる彼女は健気だった
応援はしていたがやっぱり少し羨ましくもあった、笑顔を見ると寂しくなった
でも彼は俺の親友だしずっと彼女のその思いが実ればいいと思っていた
だから彼女から彼から思いを告げられたと聞いた時驚いた、そして安心した
やっとコレで幸せになれるんだと、彼女と彼がやっと、そう安心したはずなのに
胸が痛くて苦しい、そして何かカラッポだった、心臓も正直だと思った
本当は本当は






————俺はそんな強がりで不器用で優しい彼女が好きだった





確かに誰もが幸せになれる恋なんてない
それでも彼女が笑顔でいられるのならばこの思いをずっと胸の奥に封じ込めて願い続けよう





((鍵を掛けたラブレター))



****


豪→円夏みたいな
本当は夏美さんの事好きなんだけどふたりにはしあわせになってもらいたいな、みたいな
でも夏美さんは円堂の事も好きで告白されたけれどこのまま付き合ったら
アキさんたちが苦しむかもって言うのをきにしてるって言う・・・
なんか悲しいのになっちゃったゴメンね