二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【inzm】 VIINの会 【voc@loid】 ( No.48 )
日時: 2012/06/13 21:16
名前: 水野ミミ (ID: P4ybYhOB)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=_d19-ZK2z7k

彼の名前を聞くと、皆は何を思い浮かべるのだろうか? 釣り好きであることとか、明るそうだ、ということか。

まあ、どちらにせよ、俺とは違う。

これは、俺が、彼にあった日の話。



「……違う、こんな訳無いだろうな……」

何をしていたのかは覚えてない。只、何かしらマイナス方面のことを考えていたんだろう、ということは推測できる。
この頃から俺は、よく物事をネガティブに考える癖、というか性格だった気がする。……あくまで、気がする、と言うだけだ。
そしてまたこれもいつもの癖で、首をぶんぶんと振って、目を閉じた。
何かを考えた後、その考えを振り払うように。ちなみに、この癖はもう無い……と言うか、直った。

「……勉強するかぁ……」

勉強机に置いてある塾の参考書を見て、パラパラとページを捲る。

「これはもう覚えたんだっけ……」

記憶が曖昧だ。非常に。
とりあえずそれを机の上に出来た参考書やノートの山に乗せた。

あ、そうだ。何もすること無いんだし……、

「皆は、どうしてるんだろう」

俺が巻き込んだ皆と、ちょっと話でもしてこようかな。
机の引き出しに入れたIphoneを出した。

「あ、」

メッセージが届いてる。

『そういえば算数の宿題の20ページの3番の答え分かる? 今日好く大の提出あるんだけど、その解法だけ先生教えてくれなくて。解法が分かってたら自分で解答無くても出来るんだけどね』

彼女は同じ系列の塾の子だ。直接会ったことは無いけど、結構趣味が合うし、第一志望の学校も同じだから、多分中学校で会うことになる。全国模試で50番以内入るくらいだから頭いいし。

「えっと、何って言ってたっけ先生」

あ、ノートあった。えっと、20ページの3番だったな。

『(1)が3/53で、(2)が80回目だよ』

とりあえず返信。
するとすぐに返信が帰ってきた。

『ありがと! 助かった!』

……本当に、彼女は返信が早いな。
これ以上Iphoneに触ってたら時間を忘れそうで怖いから、もう一回引き出しにしまって、僕はベッドの上に座る。

「僕は勉強、茜さんも勉強……か」

本当に、この時期は大変だ。皆皆、勉強ばかり。
夜が明けるまで勉強する人も、早く寝る人もいる。

でも、結局今、僕は苦しい。
元々勉強は好きだった。だけど、今の僕はある意味、勉強することを強いられているような感じだ。そもそも受験なんかしたかった訳でもないし。

時が止まればいいのにな、なんて思う。そんなこと、無理だけど。
こんな苦しい思いをするなら、息をとめたい。

「誰か、」

僕の閉じきったドアを開けてくれませんか?
その先にある、見たことのない景色が見たいから。



「ちょっと出かけてきます」

母さんにそう声をかけて、傘を持たずに出かける。
行く場所は決まってる。家の近くの河川敷だ。


まあさすがに、誰も居ないだろう。
こんな雨の中に居たら、風邪を引いてしまうし。

「僕も風邪引きそうだけど、ね」

別に何って事は無かろう。元々僕は病弱だ。
風邪を引くなんて日常茶飯事。

「……ん?」

僕は視界の隅に、ある少年を捕らえた。

誰だろう、何処かで見た気がするんだ。

彼の顔を見てみようと駆け出す。
けれども。

「あ、」

僕が踏んだせいで、ぶちん、と切れた靴紐を拾い上げて、空を見上げた。



あ、そっか、なるほど。
彼は、僕の夢の中で何度か会った人。
不真面目で能天気な人に見えるに、僕の上を行ってしまう人。
例えば、模試の成績。夢の中だけだけの話だけど、彼にはいつも負けている。

超えたい、彼のこと。いや、絶対に超える。超えてみせるから。


すっかり辺りは晴れ渡っていた。さっきのは通り雨かな?
ついでにその通り雨は、僕の心の中に降っていた雨も持って行ってしまったみたいで。

「ま、帰ろうかな」

雲が落とす影を踏まないように。小さい頃によくやっていた遊びだ。
踏まないように一歩。また一歩。

もっと進みたい。だから、誰か。

僕の心に、灯火を————



Cast:速水鶴正
     浜野海士
     山菜茜

遅れましてすみません。
速水くんと浜野くんの過去捏造……です。

中学受験、きっと浜野くんは親に勧められて始めて、何となくで合格した感じで、速水くんは……悩みながら頑張ったパターン。
ちなみに私は浜野くんパターンです(笑)

ちなみに速水くんが僕っこなのは私の趣味です。
で、浜野くんにそれを「俺って言ってよー」って言って半ば強制的に直して今に至る、って感じ、だといいなーって思ってます。

お粗末さまでした!