二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.354 )
日時: 2013/02/28 11:27
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)

第4章 江連尚志&ヒノアラシの名コンビ、登場!

(ストーリーモード:ヒロ)

いつものように、トキオシア公園にチコリータを連れて遊んだ。チコリータは人懐っこく笑いながらも、僕に甘えてくる。

「チコッ!」
「あははっ、チコリータ…甘えるのも良いけど、たまには遊ぶことも大切だよ」

チコリータを抱き上げながら笑う。こいつが初めて僕の前に来た時はビックリした。
幼馴染であるナオこと小野奈緒美に話そうと思ったら…偶然、ナオもワニノコというポケモンを抱えていた。
それを見て、僕は何か事情がありそうだと思ったのか…バンさんたちに聞いたら、彼らもポケモンを持っていたとのこと。

(うーん…そこが気になるな…)

チコリータを抱えながら考え込んでいたその時、僕を呼ぶ声がした。

「ヒロ!」

スッと影に現れたのと同時に見上げると、不良っぽい青年が居た。その正体は…幼馴染の江連尚志だった。

「尚志…急にどうした?」
「チコリータ持ってんの、お前?」
「あぁ…僕のところに飛ばされてきたんでね…。尚志、その子は?」

尚志の腕に抱きついている炎タイプのポケモンを見て驚く。尚志は満足そうに頷いた。
その時、チコリータが気付いて駆け寄る。どうやら、そのポケモンと知り合いだったらしい。

「チコッ!」
「ヒノッ!」

今、『ヒノッ』って言った…もしかして、そのポケモンもどこかの地方に属しているのだろうか。
尚志が僕に歩み寄り、ベンチに座って話したいことがあると言って聞くことにする。

「こいつは俺のポケモンなんだけど…ヒノアラシって言うんだ」
「ヒノアラシ・ワニノコ・チコリータの3つはどこかの地方に属しているということか」
「ああ…そういうことになるな…。でも、何か引っかかるんだ」
「引っかかる?」

尚志の言うことが分からず、首を傾げる。ズボンのポケットから何かを取り出して見せた。
どうやら、手紙のようだ…尚志がその手紙を抱えていたことは、ヒノアラシたちと関係があるのか。

「これ…ヒノアラシの首に挟まってたんだ」
「これは…手紙かな?」
「あぁ…バンさんたちも知らないはずだ…。でも、何か気になることが書かれてたんだ」
「気になることって…この手紙を読めば分かる…ということか?」

尚志から手紙を受け取った後、そこに記されている内容を読んだ。

【ヒノアラシ・ワニノコ・チコリータのパートナーになってくれる人たちへ

僕は、ジョウト地方のワカバタウンというところに住むウツギという者だ。
異世界に飛ばされたヒノアラシ・ワニノコ・チコリータを引き取ってくれる人たちに連絡したい。
実は、カントー・ジョウト・シンオウ・イッシュ地方に至る草・水・炎タイプのポケモンを付け狙う、悪の人物が居るんだ。

彼の名前は…L(エル)。性別は男だったという情報が出ていることから考えると…ポケモンハンター、あるいは悪の組織に所属している可能性が高い。

これは信じがたいかもしれないが…最近、ポケモンを付け狙おうとするLが異世界に飛ばした可能性もあるんだ。
何かを目論んで狙おうとしていることは間違いない…念のために君たちがコミュニケーションを取るのに必要な翻訳機を作った。

翻訳機には…異世界と通信できるという設定もある。それで、連絡を試みたい。
君たちにとって…無理なお願いかもしれないが、それでも良いなら引き受けて欲しい。

突然で申し訳ないが、この子達をよろしくお願いします。  ウツギ博士より】

内容を読み終えたのと同時に楽しんで遊ぶチコリータとヒノアラシを見つめる。
ウツギ博士と言う人はポケモンを研究している人だろうか…僕たちが使っている翻訳機に別の使い方が備わっているとは思ってなかった。

「ヒロ、どう思うか?」
「何か信じ難いよね…それに気になるな、Lという男…」
「そう思うよな…。バンさんに言った方がいいと思わねぇか?」

確かによく考えたら…ちょっと引っかかるところがいくつかある。
Lという人物が何者であるかと言う事さえ分からない…気になることもあるし、家に帰って調べるのもありだ。

「とりあえず、僕は家に帰って調べてみるよ」
「ヒロ…」
「ポケモンハンターじゃない可能性もあるし、ここで悪いことをしている人物かもしれないから…」
「そうだな…」
「チコリータたちを放っておくわけにはいかないだろ?」

尚志は2匹のポケモンを見て納得したようで、やっと立ち直ったようだ。
ポケモンバトルしたいのも山々だけど…知らないことがたくさんある。

「チコリータ、家に帰るぞ」
「チコッ?」

チコリータはヒノアラシと一緒に遊びたいという気分だったが、すぐに頷いて歩み寄ってくる。
僕はチコリータを抱えながら、優しく撫でた。可愛いポケモンだけど、時にはこんな表情を現すこともあるんだ。

「とりあえず、僕のところに居てくれれば大丈夫だから…。心配しなくていいからね」
「チコ…」

不安そうに僕を見つめるチコリータの表情が晴れやかではないことを物語っているのは、Lという人物が居たということが伺えた。

(この子は…何があっても、僕が守る)

チコリータを抱えながら走って帰る。その後に事件が起きる事さえ知らずに居たのだということを…。