二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.373 )
- 日時: 2013/03/02 13:38
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
第6章 アララギ博士からの警告…謎の男・Lとは?
(ストーリーモード:ミジュマル)
アララギ博士からの通信が入ったのと同時にバンは思わず首を傾げる。
「意外なことって…何ですか?」
『Lは恐らく…そっちの世界を経由してきた可能性がある』
Lがいったい、何者なのかも知らない僕たちには理解できていないが…バンとアララギ博士の会話を聞く限り、悪者であることは間違いなかった。
「えっ…この世界を経由して異世界に来た…ってことですよね?」
『うん…そういうことになるわね、彼の目的が何なのかも分からないけど…』
「じゃあ、ミジュマルは異世界であるイッシュ地方から来た…」
『ええ、そうよ…』
「ということは、Lによって連れ去られたのかもしれませんね…そうだよな、ミジュマル?」
バンは僕に語りかけながら抱きしめたまま、優しく話しかけてくれた。
その言葉に頷いた僕はシュンと肩を落とすようなしぐさをして、悔しそうにうなだれる。
「ミジュ…」
「やっぱり…。どうりで変だと思ってたんだよな…」
バンは首を傾げて言いながら、アララギ博士を見て納得したらしい。
アララギ博士はバンの様子を見て、僕と比べつつも思わず首を傾げる。
『どういうことなの?』
「昨夜、ミジュマルが窓の外に誰かが居た…みたいなこと言ってました」
『バン君の家?』
「はい。俺の家の窓から覗いてたらしいんですけど…その時、俺は爆睡してたから寝てたんですよ」
『それで?』
「それで…ミジュマルの大きな声が聞こえてきて、目を覚ましたら…机の上にミジュマルが突っ立ってましたね」
昨夜のことを話してくれたバンの言葉を聞いて、アララギ博士は腕を組みながら考え込んだ。
数秒間、考え込んでから思い立った博士はすぐに結論を語り始めた。
『Lはそっちの世界から来た…その可能性は間違いないわね。この間、タイムパトロールの方が来てたから…』
「タイムパトロール…確か、こちらでやってるみたいですね。タイムパトロールが来たってことは…」
タイムパトロールの方が来たと言うことは、Lが指名手配されている可能性が高まってきた。
バンは気に食わないのか、ギュッと拳を握った。Lの存在が出てきてしまっているのだから、本当にしょうがない。
「Lが何か企んでいそうなことは間違いないな…。だとしたら、イッシュ地方で何をしようとしたんだ?」
『被害が出ているのは、イッシュ地方だけじゃない…。カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウの各地方でも似たようなことが起きているの』
アララギ博士によると、カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウ・イッシュ地方の各地方で事件が起きているらしい。
「どういうことですか?」
『ここにいるミジュマルたちのように、最初のポケモンである3体のポケモンを連れ去って、異世界に連れ込もうとする事件が起こっているのよ』
アララギ博士は証拠品として、1枚の写真を持って見せた。そこに映っているのは、Lらしき青年が鳥ポケモンに乗っているというものだ。
「この写真、これで撮ってもいいですか?」
『ええ、いいわよ』
バンはCCMという携帯を持って、カメラを起動させた。アララギ博士が持っている写真を撮っておくことを考えたのだろう。
『カシャッ』
シャッター音がしたのと同時に写真を撮ったことを確認すると、バンはすぐに頷いた。
アララギ博士は肩を竦めながら、溜息をついた。確かに、Lが何かやろうとしていることは絶対に許せない。
バンが居るから、僕も捜査に協力する…そのつもりでいようと思ったのか、僕はバンを見て決意した。
「Lはこの世界に居るということになる…つまり、彼はトキオシティのどこかに住んでいた可能性もありますね」
『ええ、私もそう思ったわ。ポケモンを連れ去り、そこで何をしようとしているのか…」
「はい、俺も全く同感です。博士、Lの特徴は分かりますか?」
『確か、体格がガッチリしてて…背が高かったと言うことだけは覚えているわ』
バンは紙にメモリながら、シャーペンでサラサラと書く。その様子を見て、僕は素直なんだなぁ…って思ってしまった。
「分かりました。これだけメモを取っていれば、大丈夫です。あと、服装は覚えてますか?」
『上下ともに黒いのを着てたわ…。上はパーカーのようなものを着ていて、下はズボンを履いてたわね』
アララギ博士の証言をメモした後、バンはハァーッと大きな溜息をついた。
少しだけ掴めたのは良いとして、その特徴について知りたいのもある。バンのことだから、謎解きしたいのかな。
「なるほどねぇ…これじゃ、怪しまれると思ったんだ。だから、Lはその服を選んだ可能性もあります」
『やっぱり…。バン君、ミジュマルを頼むわね…ポカブやツタージャはどうしてる?』
「はい、任せてください。ポカブとツタージャは俺の幼馴染が面倒を見てるので、心配しなくても大丈夫ですよ」
バンは笑顔を見せながら、僕を抱きかかえて答える。アララギ博士はコクッと頷いて、手を振った。
『じゃあ、こんな時間に連絡してごめんね。じゃあ、また!』
「はい。何かあったら、俺に連絡してください」
そう言ったのと同時に通信を切った。バンは画面を操作しながら、電源をOFFにした後にヘッドフォンを外す。
「ふーっ…」
大きな溜息をついて、紙を手に持ったバンは僕を見て思わず苦笑した。やっぱり、Lのことが気になるんだ…。
「厄介なことになったな…。まぁ、俺に任せてくれれば大丈夫だからな」
「ミジュ…」
「ミジュマルのせいじゃないよ。悪いのは、Lだよ」
バンは気遣っているのか、両手で僕を抱きしめた後に机から離れた。ベッドに入って、毛布の中に潜り込んだ。
バンの腕の中に入った後、ウトウトしながらもゆっくりと深い眠りに落ちていった。