二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.405 )
- 日時: 2013/03/04 13:54
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
第10章 初の廃墟ビル探検(前編)…そこで見つけたポケモンとは?
(ストーリーモード:ミジュマル)
ライガとの出会いから数日経ったある日の夜、僕はバンの部屋で大人しく待機していた。
彼が帰るまでは待たないといけないので、バンに怒られても仕方がない。
(ミジュ…)
何か遊びたいという気分に駆られたのか、部屋のドアを開けてみる。
リン・健太・直太・ライガの4人は隣の部屋に居るようだ。ここにいても大人しくして待っていられるか!
「ミジュ、ミジュミ、ジュマッ!(そうと決まれば、出発だ!)」
その隙を突いて、素早く走り出す。階段を降りて、家の外に出る。
外は真っ暗だけど、もう慣れている。バンの迎えに行くときがあって、何度も通っているのだから…問題はない。
「ポカッ、ポカカッ?(ミジュマル、どこに行くの?)」
聞きなれた声がして振り返ると、ハルの家に居るはずのポカブが突っ立っていた。
どうやら、僕の後を追いかけてきたらしい。ポカブは僕を見て、心配して話しかけてくれた。
「ポカカッ、ブーッ!(こんな時間に出るなんて、ダメだよ!)」
「ミジュ、ミジュマッ、ジュマッ!(煩いっ、僕だって、たまには出かけたい!)」
僕もポカブに対して、すぐに反論するが…ポカブも負けじと僕を見て睨みつける。
その睨み付け方が怖くて、すぐに逃げ出してしまった。ポカブも僕の後を追いかけ、心配そうに気遣いつつも傍にいてくれる。
「ポカッ、ポカブーッ!(こんな時間に出るなんて…何かあったの?)」
「ミジュ、ミジュミッ!(別に…。何もないってば!)」
僕はポカブに反抗しつつも、先を進む。ポカブとは幼馴染なのに、何でケンカしそうになっちゃうんだろう。
ポカブも優しく接してくれるし、僕に対してはお兄さんのように面倒を見てくれたり、話を聞いてくれるから。
「ミジュ…(ポカブ…)」
「ポカッ、ポカカッ?(ミジュマル、どうしたの?)」
「ミジュ、ミジュミジュマ、ュマッ!(ポカブ、暇なら探検しに行こうよ!)」
あることを閃いたのか、ポカブに提案してみた。今、出たばかりだから…探検しに行くのもいい。
僕たちはポケモンだから、バンたちに気付かれるのも時間の問題だと思って考える。
だって、たまには出かけてみたいと思ってたから…ポカブなら、僕の意見に賛成してくれそうだし…行ってみる価値がありそうだ。
「ポカッ!? ポカッブーッ!(えー!? バンたちに気付かれちゃうよ)」
「ミジュ、ミジュミッ!(いいの、さっさと行こうぜ!)」
「ポカッ……(どうなっても知らないぞ……)」
ポカブと一緒にミソラタウン駅から少し離れたところに向かうことになった。
***
少し経ってから、そこに着いた途端…顔を見上げて、建物を見つめた。
そこに建てられているのは、廃墟ビルだった。曰くつきの場所だということで有名だとか聞いたことがある。
バンに案内してもらった時、そこには行くなと言われていたし…好奇心が揺らめいたのか、そこに行ってみたかったというのもあったからだ。
「ポカッ…?(ここは?)」
「ミジュミジュ、ミジュミ(廃墟ビルだよ。ライトはないから、手探りで行ってみようよ)」
ポカブを従えて、廃墟ビルの中に入る。真っ暗で不気味さを醸し出していて、どこからか恐怖を感じてしまう。
不気味さが伝わってきているのに、シーンと静まり返っているのはなぜか。
「ミジュ、ミジュミッ!(だったら、上とか行ってみよう!)」
「ポカカッ、ポカッ!(うん、慎重に行こう!)」
階段を上りながら、慎重に歩いていく。少し経つと、そこに着いた場所を見て驚く。
数々の骸骨がたくさんあるし、ここで何か起きたのだろうか…。それとも、事件が起きるとは思えない。
事件があったことを物語っているのは、骸骨があったからだと思う。それにしても、微妙に違和感を感じた。
「ミジュ…(うーん…)」
「ポカッ?(どうしたの?)」
「ミジュ、ミジュミ…(何か違和感を感じる…)」
「ポカッ、ポカカッ…?(やっぱり、気のせいじゃないの?)」
「ミジュ、ジュマ…ミジュミジュ!(ううん、違う…何か聞こえる!)」
微かに1階のどこかから物音が聞こえてくる。耳を傾けて、僕たちはジッと聞く。
「キモッ…キモーッ!(誰か…助けてよー!)」
その声は…まさか、ポケモン?
いや、僕たちの他にポケモンなんて居るはずがない。ましてや、今のところは僕・ポカブ・ツタージャしかいない。
僕とポカブは顔を見合わせつつも首を傾げた。もしかして、このビルのどこかにポケモンがいるのか?
「ポカッ。ポカカッ!(よし。行ってみよう!)」
「ミジュミジュ、ジュマッ!(そうと決まれば、捜索開始だ!)」
ポカブと僕は一目散に階段を駆け下りる。1階に着いたのと同時に部屋全体を見回す。
今のところ、異常なし…。でも、さっき2階で聞いた悲鳴はどこから漏れているのかも見当がつかない。
ポカブは鼻を使って、クンクンと匂いを嗅ぎながらも慎重に歩いて捜査している。
「ポカッ!(どうやら、あっちみたいだ)」
ポカブが右手で指差したその先には、奥に頑丈な扉があった。その扉の先にポケモンがいるのだろうか。
僕らは2人でドアを強く押しながら、慎重に開ける。ギギーッと大きな音がしたのと同時に階段が現れた。
「ミジュ、ミジュミ…?(まさか、そこにいるのか…?)」
「ポカッ、ポカカッ! ブーッ!!(こうしちゃいられない! 行こう!!)」
ポカブの言葉に頷き、一目散に走りながら駆け出す。階段を駆け下りていくと、更にもう1つの扉が現れる。
そこの扉を開ければ、誰かがいる…そう思いながら、ゆっくり開けて入った。
『ギギーッ…』
その中に入ったのと同時に何かが倒れていることに気付く。傷だらけになっていて、思うように身体を動かせないようだ。
僕とポカブはそのポケモンのところに向かった。全体的に色は緑だけど、頭のところがトサカみたいな感じになっている。
「ミジュ、ミジュミ!?(君、大丈夫!?)」
「キモーッ…(もうダメ…このままじゃ…君たちもやられる)」
「ポカッ、ポカカッ!?(えっ、どういうことだ!?)」
ポカブと僕の背後に誰かが迫ってくることに気付き、振り返ったのと同時に目を見張る。
見覚えのない黒服を着ている青年が僕らを見下しているかのように、右手に棒のようなものを持っていた。
「ミジュ、ミジュミジュマッ!(お前がやったのか!)」
僕はポカブとそのポケモンを庇うようにして、青年の前に立ち塞がる。
青年は僕を見て、棒のようなものを構えた後にキッと鋭い目で睨みつけた。
「ミジュマルやポカブまで出てくるとはなぁ…ちょうどいい、おまえから叩きのめしてやる!」
この僕を叩きのめす、だって?
やれるもんならやってみろ…こいつらを傷つけたら、僕が許さない!
歯を食いしばって、目の前に居る青年を睨みつけながらも怒りが沸々と沸いてきた。
「ミジュミジュマッ!(この僕が相手だ、やれるもんならやってみろ!)」
青年の前に立ち塞がり、対抗しようとするミジュマルが考えた方法とは?
この後、ミジュマルVS青年の対決がついに始まる…果たして、ミジュマルはポカブたちを守りきれるのか?