二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.409 )
日時: 2013/03/04 16:55
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)

第11章 初の廃墟ビル探検(中編)…Lの弟・R登場!

(ストーリーモード:ミジュマル)

廃墟ビルの地下にやってきた僕とポカブはそこに倒れていたポケモン・キモリを救出しようとした。
その時、僕たちに忍び寄る影が現れた…目の前に居る青年は殺気満ちた表情を表しながら、憎しみに対するオーラを醸し出す。

「兄さんが探してたミジュマルっていうのは、お前か…ちょうど良い、力ずくで潰してやるよ」
「ミジュミジュ、ジュマ!(何だと…叩き潰せるならやってみろよ!)」

僕はお腹に張り付いているホタチを持って、バトルモードに構える。
さっき、兄さんと言っていた…こいつ、もしかして…Lの兄弟か?

「へぇ…こんな表情をする時もあるんだな、でも…容赦はしないよ。この僕の手で叩き潰せるからね」

そいつは僕の前に棒を出して、本気で潰すと言っているのだろう。その事を感じ取ったのか、僕は冷静に状況を把握する。
このままだとポカブとキモリはやられてしまう…つまり、僕だけが戦える状態だ。
よく考えれば、僕らポケモンにとっては不利かもしれない…だが、懸けてみるしかないというのが現状だといえる。

「ミジュミジュ、ジュミッ!(やれるもんならやってみろよ、お前を叩き倒す!)」

僕は左手でホタチを持ちながら、目の前に居る青年を睨みつけた。そいつはニヤリと笑いながら、余裕を醸し出している。
その様子を見る限り、ちょっと倒せるか分からない…いかにも冷酷な性格を醸し出していたし、僕だけが倒されてもおかしくないはずだ。

「おっと、自己紹介してなかったな…僕はR。Lの弟だ」

Lの弟だって?
よく見れば、Lの顔と似ているが…いわゆる、双子と言うものだろう。
確かによく似ていても、見分けがつかない。RはLと兄弟ということになる。
なぜ、Rがここにいるのかも分からない…それより、僕はRと戦うしかないのだから。

「ミジュミジュ、ジュマッ!(お前、いったいどういうつもりだ!)」
「ほぉ、ポケモンを傷つけるのが許せないってことかな? 確かに許せないかもしれないけど…やっぱり、全てが悪いんだ」

Rが言っていることの意味が分からない。全てが悪いってことは、何か理由があるのか。
ポケモンを傷つけておいて、何するつもりでいるのか…それは僕にとっても許せなかった。
僕らポケモンはRのような悪い人間に振り回されなきゃいけない…そういうことなのか。
いや、僕たちはそいつらみたいに悪いヤツらのところで育っていくのが嫌なんだ!

「ミジュミジュ、ミジュミッ!(だったら、僕がお前を叩き潰してやる!)」

僕が再び、ホタチを持って睨みつけながらもRに襲い掛かった。Rは軽やかなサイドステップで僕の攻撃をかわした。
こいつ、運動神経が良いだけじゃない…また、反射神経にも優れている。いったい、どうなっているんだ?

「なら、そのお返しに殴ってやるよ!」

Rが棒のようなもので僕の腹を殴った。その同時に仰け反ったせいで大きなダメージを受け、壁に強く打ち付けられてしまう。

「ミジュ…ミジュミッ…(ぐっ…よくも…)」

さっき、壁に打ち付けられたせいで身体の痛みが増してきて…思うように身動きが取れない。
このままではやられてしまう…気を取り直して、ヨロヨロと立ち上がって歩く。

「ほぉ…なかなかしぶといな、だが…これで最後だ!」

ここでやられるわけにはいかない…だって、バンたちに心配かけさせたくないんだ。
大好きな主人・バンに何か言われても上手く誤魔化すつもりでいた。でも、今の僕では打ち返す気力すらなくなりかけている。

「ミジュ、ミジュミーッ!(ここで諦めるわけにはいかないんだぁ-------!)」

最後の気力を振り絞って、よろけながらもホタチを持って構えた。その同時に素早く走り出し、すかさずジャンプする。

「何っ!?」

ホタチから出た水の剣…その技は、『シェルブレード』だ。その隙を突いて、左手で水の剣になっているホタチを振り下ろす。
Rは両手で棒を横に構えて、守りのポーズをした。こいつ、なかなか崩れてない。
その証拠にかなり鍛えられている…力強く踏ん張って押し込もうとしたが、Rの力によって抑えられた。

「ミジュ…(ぐっ…)」

ふらつきながらもよろけた僕の様子を見ていたポカブが気にかけて、声を出す。

「ポカカッ!(しっかりしろ!)」
「ミジュ…ミジュミ…(もうダメだ…逃げろ…)」

最後の気力を振り絞った僕はふらつきながらも、身体の痛みに顔を歪める。
Rはどうやら決着が着いたみたいだと悟ったのか、ジリジリと僕のところに歩み寄る。

「これで懲りたか…。ならば、止めを刺すか…」

ヤバい、このままではやられる…しかし、Rに対抗できる気力はもうなくなっていた。
Rがジリジリと詰め寄る中、何かが突進みたいなものでRの腹に炸裂した。突進したポケモンを見て驚く。

「ポカカッ、ブーッ!(次は、僕が相手だ!)」

ポカブはやる気満々のようで、怒りを露にしている。後は僕に任せろ、というようなしぐさをして頷く。
さっき、体当たりで仕掛けてきたのか…どうりで、ポカブがいるわけだと納得できた。
そのダメージを受けたRは顔を顰めながら、ゆっくり立ち上がって呟く。

「なるほど…他にもポケモンがいたんだね…。じゃあ、そいつも叩きのめすか」

ポカブを見たのと同時に鋭い目つきでキッと睨みつける。その隙にポカブは素早いサイドステップで走りながら避けた。
傷だらけになって戦った僕のために何とか踏ん張って戦っているポカブを見て納得できたからだ。

「ちっ…いい加減にすばしっこいヤツだな、だったら…」

Rがポカブの素早いスピードに合わせて、軽やかなステップで走り出したのと同時に嫌な予感がした。
ヨロヨロと立ち上がろうとするも、気合で立つ気力が失せていることに気付く。このままだとポカブがやられる…。

「ミジュ、ミジュミーッ!(ポカブ、逃げろーっ!)」

ありったけの大声を出したのと同時にポカブが気付いた時はもう既に遅し。
目の前にRがジリジリと迫ってきていた…不意を突かれたポカブの腹に強烈なキックが炸裂する。
そのダメージを受け、壁に思いっきり打ち付けられたポカブはズルズルと引き摺りながら倒れた。

「ミジュミ…ッ!(このやろ…ッ!)」

ポカブがやられたことによって、立ち上がった僕は残りの気力を振り絞った。
Rはよろけながら立ち上がった僕を見て、チッと顔を顰めたのと同時に左手で棒を構える。

「何度も懲りないヤツだな…だったら、最後の止めだ!」

Rは右手で僕の首を掴んだのと同時に左手で棒を振り下ろす。その瞬間、僕は思わず目を閉じた。
このままではやられる…そう思ったのと同時に恐怖と不安が入り混じった。
すると、シーンと静まり返った…。何も起きてない…それはなぜ?

「…ミジュ…?」

恐る恐る、目を開けると…Rの左手につるのムチが巻きつけられていた。
つるのムチの方向を見ると、チコリータがいた。その時、ドアの向こうから聞き覚えのある声が聞こえた。

「いいぞ、チコリータ! 大丈夫か、ミジュマル?」

アホ毛の青年・大空ヒロが僕に気付いて、笑顔を見せながら立っていた。
僕はヒロの腕の中に収まっていた…咄嗟の機転で危なげなく救出してくれたらしい。
あと、左耳に補聴器をつけた青年・船津直紀がツタージャを使って、絶妙なタイミングでポカブとキモリを救出した。

「どうして、酷いことをするんだ…。ツタージャ、安全なところにポカブとキモリを置いといてよ」
「ツタッ!(了解!)」

直紀の指示に従って、ツタージャはつるのムチを操作しつつも気絶しているポカブとキモリをドアの外の壁に置く。
その様子を見て確認したヒロと直紀は目の前に居るRに視線を向けた。怒りの矛先をぶつけるかのように、ヒロが僕を抱いたまま言い放つ。

「ポケモンたちを傷つけるなんて…どういうつもりだ、絶対に許せない!」
「ヒロの言うとおりだ、僕もそう思う。お前…いったい、何をする気だったんだ?」

直紀は状況を把握しながら、冷静に装って言う。それに対し、Rは余裕の表情を醸し出す。
何か嫌な予感がした…せっかく、ヒロと直紀が助けに来てくれたのに…。何なんだろう、胸騒ぎがする。
この後、ヒロ&直紀VSRの対決が始まる…。果たして、決着が着くのか?