二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.418 )
- 日時: 2013/03/10 12:23
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
第12章 初の廃墟ビル探検(後編)…ヒロ&直紀VSRの因縁対決、その狙いは?
(ストーリーモード:ミジュマル)
大空ヒロと船津直紀がポケモンを連れてきて、大ピンチに陥った僕らを救出してくれた。
彼らが目の前に居るということは、僕たちのことを気遣ってくれているのだと察した。
「お前……よくもポケモンを傷つけておいて、何がしたいんだ!」
ヒロがRを見ながら、怒りを含めた表情を出して言い放つ。それは直紀も全く同感だった。
僕たちを傷つけておいて、何がしたいのだろう。Rは僕らポケモンのことを恨んでいるのか…。
それとも、何か憎しみを抱いているかのようだ…孤独に苛まれながら生きてきたのかも分からない。
「ポケモンと言う存在は…僕たちにとっても目障りな存在なんだ。だから、叩き潰せば気がすむんだよね」
「叩き潰せば、気が済むわけじゃない! R、お前は何かに囚われているのか?」
ヒロの怒りは未だ収まらず、Rのことがよっぽど許せないようだ。
それに関しては、僕たちも全く同感だ。直紀もヒロに同情しているのか、気持ちが分からないまでもなかった。
Rはポケモンの存在が何を至らしめているのかということを表そうとしている。それがきっかけでここにいるのだと推測できた。
「ミジュ…(ヒロ…)」
心配そうに見つめていた僕はヒロを気遣って、声をかけようとする。
ヒロは僕を抱きしめたまま、チコリータに指示を出した。
「チコリータ、つるのムチでなぎ払え!」
「チコッ!(了解!)」
つるのムチを繰り出して、Rに向かって叩きのめそうとした。Rはニヤリと笑う。
その攻撃のスピードを見計らったのか、素早いサイドステップで軽々とかわした。
「なっ、かわした!?」
ヒロはRの運動神経を見て、驚きを隠せない。Rは元々、運動神経が良いらしい。
どうりで、軽々と攻撃をかわすわけだと納得できた。直紀はツタージャを見て、タイミングを計ったかのように見せ付ける。
「ツタージャ、Rの背後に回ってツルのムチで捕まえろ!」
「ツタッ!(了解!)」
ツタージャは僕を見た後に頷いた。私のことはいいから心配しないで、と言う表情を見せた。
その表情を見て頷くが、僕はツタージャに何かされるということを察したのか、辛い思いをしたくなかった。
「ツタツタ!(よくもミジュマルを叩きのめしてくれたな!)」
ツタージャの怒りが伝わるのに、時間はかからなかった。その時、Rは1つのモンスターボールを持って繰り出す。
「いけ、ドガース!」
ドガース…。確か、毒タイプのポケモンだ。かなり手強いかもしれない。
直紀とヒロはツタージャとチコリータを見て頷いたのと同時に技の指示を繰り出す。
「ツタージャ、つるのムチでドガースの目をくるくる回させてなぎ払え!」
「チコリータ、葉っぱカッターでツタージャを援護するんだ!」
ツタージャはツルのムチを出し、ドガースの身体をくるくる回させた後になぎ払う。
その瞬間を待っていたかのように、チコリータが頭の葉から繰り出す葉っぱを出した。
同時にドガースの身体を切り裂くようにして叩きのめしていく。
「効いたか!?」
直紀がその様子を見計らいながら、間合いを詰めようとする。
煙から現れたのは、傷ついたドガース。あれだけのダメージを受けたはずなのに、なぜか倒れない。
Rはニヤリと笑いながら、ヒロたちを見つめたのと同時にドガースに向かって、技の指示を繰り出す。
「ドカーズ、煙幕!」
その瞬間、僕らを囲む煙が渦巻いたのと同時に息苦しそうにケボケボッと咳き込みながら顰めた。
しまった、不意を突かれてしまったのだと気付いた時は既に遅かった。
「ミジュ…(くっ…)」
声を発した瞬間、晴れた頃にはRの姿が見えなくなっていた。
ヒロと直紀は2体のポケモンを見て、Rがいないことに気付いたようですぐに把握できた。
「くそっ、逃げられたか……。ヒロ、Rのヤツが何をしでかすか分かったもんじゃないな」
「そうですね。ミジュマルたちが無事だったのは良かったけど、傷だらけになっちゃって……」
「ああ。ミジュマルがいないって気付いてないだろうな、バンのヤツ」
僕がいないことに気付いていないって……いったい、どういうことなんだろう?
首を傾げていると、ヒロが思い出したかのように直紀を見て話しかける。
「そういえば、ハルさんから電話があってポカブを探してこいって言われてましたね」
「ああ。僕にメールしてきたときは驚いたけど、ミジュマルも一緒に居たとは思わなかったな」
「でも、バンさんはハルさんと一緒にどっか行くって言ってませんでしたっけ?」
ハルと一緒に出かけていたのか……。どうりで居ないわけだと納得できた。
傷ついた身体を庇いながら、ヒロの腕から離れた。僕は申し訳なさそうに顔を顰めて、ツタージャたちに話しかけた。
「ミジュミジュ、ジュマ……(ツタージャ、心配かけてごめん)」
「ツタツタツタ、ジャーッ!(こんな時間まで歩いていたら、危険でしょ!)」
「ミジュ……(ごめん……)」
シュンと肩を落とす僕の様子を見かねたチコリータがツタージャに許してあげて、というような顔をして気遣う。
「チコ、チコチコッ!(ツタージャ、許してあげてよ!)」
「ミジュ……(チコリータ……)」
チコリータとツタージャと話し込んでいたその時、誰かにヒョイと抱きかかえられた。
振り返ると、優しそうな表情をした直紀。どうやら、僕の身体のことを気遣ってくれているようだ。
「ミジュマル、バンのところに行こうか」
「ミジュッ!(うんっ!)」
直紀の言葉に頷いたのと同時に再び、身体の痛みが来て思わず顰める。
その痛みは思ったよりも半端じゃない……物凄く痛いし、傷だらけになるまで耐えたからだろう。
「ミジュマル、大丈夫か?」
直紀が心配そうに顔を覗き込んでいる。ヒロたちも僕の身体を気遣ってくれた。
ヒロはポカブとキモリを抱きかかえながら、ツタージャたちに向かって言う。
「じゃあ、そろそろ出ようか」
ヒロの言葉に頷くツタージャとチコリータ。僕は安堵したのか、思わず目を閉じた。