二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.459 )
- 日時: 2013/03/22 17:32
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
(ストーリーモード:バン)
翌朝、チュンチュンと雀の鳴く声が外から聞こえてくる。眠そうに目を擦りながら起きると、いつの間にか朝になっていた。
どうやら、ハルの家に居るみたいだけど…っていうか、ここはハルの部屋の中。
昨夜の記憶を思い出して、ハルにおぶさられたまま連れてきてもらったような感じがした。
「あれ、何で俺…ここにいるんだぁ?」
昨日、酒を飲んで寝たような気がする。その後はどうなったか覚えてない。
その時、ヒロに起こされたのは覚えてる…後は立向居が店にやってきて、何か話し込んでたような記憶があった。
「俺、何かしちまったっけ?」
あーダメだ、酒を飲んだ後の記憶が全くない…どうして、俺はハルの家に居るのか。
酔い潰れて寝たのは覚えてたけど、記憶がないとは言い出せない。流石に躊躇ったのか、ベッドの上で寝ていたハルに視線を移す。
「…おはよ…」
ハルは眠そうに目を開けて、起きたばかりの俺を見て欠伸する。やっぱり起きてたな。
ベッドの上に座り、ハルを見て思い出しながら呟いてみる。
「おはよ…俺さぁ、酒を飲んだ後の記憶がなくて…。何かしでかしたっけ?」
「やっぱり覚えてないのね…私に殴りかかろうとしたこと」
「…え?」
俺がハルを殴ろうとした…そんなことをした覚えがなくて、どういうことなのかも分からない。
かなり酔っ払ってたから、昨日は帰るのが遅かった。いったい、何をしでかしたのか。
「俺、ハルに殴りかかったような覚えはないけど…」
「このバカ…バン、昨日はよくも殴りかかってくれたなーっ!!」
ハルの怒りが最高潮に達したのと同時に右手で拳を握って、俺の頬を殴った。
そのダメージを食らったのと同時に仰け反って、顔を顰めながら倒れ込んだ。
久しぶりにハルが怒っているところを見た…俺、やっぱり何かしでかしたのかな。
「って…ッ、何すんだよ…。ハル、そこまで怒ることないだろォ?」
「バン、あんたにやられそうになりかけたのよ! だからって、そこまで怒る必要があるの?」
「…俺、ハルに悪いことしちまったんなら謝るけど…。やっぱり覚えてないから、殴る必要ないと思うぜ」
「じゃあさ、幽霊屋敷に来たこと覚えてる?」
「幽霊屋敷…?」
そういえば、立向居が何か言ってたことを思い出す。確か、ハルとナオが楓と一緒に行ったという話が出ていた。
俺はヒロと一緒に迎えに行ったほうが良いみたいなことを話していたような気がする。
少しずつ、幽霊屋敷に関する記憶が甦ってくる。ハルたちに怒りをぶちまけようとしたことがあった。
無茶をしでかしそうな彼女のことを気遣って、それを止めようとして殴りかかったような記憶が…。
「ああ、ナオたちと一緒に行ったアレか…。その時に殴りかかったかもしれないな」
「やっと思い出したのね…飲み過ぎは良くないよ、バンッ!!」
「うっせ、たまには飲み過ぎてもいいだろ…」
言いかけたその時、ハルの手元にあるカードらしきものを見つけた。特徴は運転免許証のようだ。
ハルが何でカードを持っているのかも分からない…とりあえず、彼女に聞くしかない。
「おい、その運転免許証は?」
「あ、これ…?」
「どこで見つけたのさ、それ…」
「例の幽霊屋敷よ。あそこの2階にある部屋の奥で見つけた」
「幽霊屋敷探検かよ…夜だからって、あんまりうろつくんじゃないぞ」
「だって、楓が言い出したのが悪いんだからっ!!」
月島に言われて、ナオと一緒に付き添って行ったらしい。俺は半ば呆れながら、肩を竦めた。
やっぱり、好奇心旺盛のある人じゃないと肝試しはできないみたいだ。そういう俺も肝試しするのはちょっとなぁ…って思ったりする。
「月島に何を吹き込まれたんだ?」
「10年前の事件に関する噂とかあったらしくて、その時から存在するようになったって…そんなこと言われたなぁー」
10年前の事件…どこかで聞いたことのある気がしてならない。俺は幽霊とかそういったものに興味がない。
その噂に関しては微妙だが、知り合いに誰か知っていた人がいるかもしれない。
ハルに詳しく聞いてみないと分からないので、すぐに話しかけて問い質す。
「10年前の事件って…なんだよ?」
「さぁ、私は知らないけど…楓なら知っていそうかもよ」
「その運転免許証を持ってたということは、そこで何かあったのかぁ?」
「うん…ちょっと気になることがあってね、今日の夜は空いてる?」
「空いてるけど、何するんだ?」
「バンに見てもらいたいものがあるから良いかな?」
「いいけど…俺に見てもらいたいものって…何?」
「その代わりと言っちゃなんだけど…2人だけの秘密と言うことにしてもらっていい?」
「ああ、良いぜ…。お前に付き合わされるハメになっちまうけど、せっかくだから聞いてやるぜ」
「本当にいいの? 肝試しスポットみたいだからね、あそこは」
「まぁ、面白いじゃん…酔いが醒めてきたから、もう平気だ」
ようやく、酔いが醒めてきたこともあって…元気になった。夜を待って、ハルと共に再び幽霊屋敷へ赴く。