二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第六話 ( No.11 )
- 日時: 2012/06/18 07:33
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
次の日、相変わらず遅くにアパートを出た天馬は走っていた
今日から雷門中は夏休みだった なのでホーリーロードに向けて一日練習が始まる
もう遅刻は決まっているようなものだったが、天馬は気にしなかった
「……あれ?」
すると、いつも通っている道が工事て通行止めになっていた
仕方なく、天馬は別の道を行く事にした
「えっと…確か…」
あまり来た事がない暗い路地を、天馬は歩く
確かこちらを行けば、雷門中に出るはずだ
そんなことを考えていた、その時
『伏せて!!』
「わっ!」
反射的に、天馬はその場でしゃがんだ
そのとたん、天馬の頭上にカッターの刃らしき物が通った
「……え?」
何これ…
天馬は壁に突き刺さった刃を見て声を上げる
この刃を投げつけた人物は今間違いなく、
自分を殺そうとした
何で?
そう思った時だった
背後に気配を感じた
そして振り返ると、そこには一人の人間がいた
少年なのか少女なのか、判別がつかない
顔の上半分は仮面で覆われていて、顔もわからない
フードを被り、パーカーの裾は長いのか手が出ていない
ひょろんと細い体格の人間だった
「君は…誰?」
天馬が話し掛けたその時
手が出ていない袖から長い刃物が出た
そしてそのまま刃を天馬に向けて突進してくる
「うわあっ!!」
天馬は避けた
だがジャージごと腕を切られ、血が出た
逃げないと……
冷や汗を流しながら、天馬は暗殺者に背を向ける
「はぁっ…はぁっ」
怖い…ものすごく怖い
もちろんの事ながら暗殺者も天馬を追いかけていた
路地を出ると、そこは工場だった やみくもに走ったせいで、別のところから出てしまったらしい
天馬はもう使われていない工場の中に入った
「はぁっ…はぁっ…」
そしてもう使えない器具の影に隠れた 上手くまいたようだ
これからどうしようか、どうやって逃げ切る?
戦おうにも、武器を持ってないし、勝てそうにもない
その時
「……見ツケタ」
機械のような声がして、上を向くと、暗殺者が器具の上に立っていた
見つかった!
そう思いながら天馬は器具から飛び退く
暗殺者は袖から刃物をいくつも出して天馬にジリジリ近づく
殺される…
でもこんなとこで殺されたくない!
「“マッハウィンド“!!」
天馬は落ちていた空き缶に思い切り蹴りを入れた
サッカーボールじゃなくても、シュート技は出せるようだった
「…ッ!!」
暗殺者が怯んだ隙に天馬は走り出す
このまま…
このまま逃げ切れば…
次の瞬間
「あッ…!!」
天馬は転倒する
その背中には、二本の刃が刺さっていた
激しい痛みが天馬の身体中を駆け巡り、動けない
暗殺者が天馬の目の前にやってくる
「…サヨウナラ」
天馬に長い刃を降り下ろす
「うあああッッ!!!」
——————
「…あれ?天馬はどうした?」
雷門中のグラウンドで、部活の準備をしていた神童は天馬の親友 信助に尋ねた
「まだ来ていないみたいです」
「…ったく、また遅刻か」
神童は呆れた
まぁいい その内来るだろう
神童はそう思いながらボールを準備した