二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第一話 ( No.3 )
日時: 2012/06/01 07:21
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「いってきまーす」
少し変わった髪型の少年−−松風天馬は住んでいるアパート、木枯らし荘を飛び出した。
「気を付けてねー」
管理人の木野秋は天馬を見送っていた。

「はぁ…今日も遅刻かな」
昨日、遅刻して、罰としてグラウンド一週を命じられたのを天馬は思い出す。

またグラウンド一週かな…そう思ったその時

「わあっ!」
「きゃあっ!」
よそ見をしていた天馬は、何かに思いきりぶつかって地面に倒れる。

「いてて…」
「いったー…」
天馬は起き上がり、振り返るとそこには一人の少女がいた。
長い銀髪をツインテールにして、天馬とほとんど歳が変わらない。

「ご…ごめん!よそ見してて…」
天馬は少女に言った。
「すいません…こっちこそ」
少女は立ち上がると言った

「あの…、ごめんなさい、私急いでるんです」
最後に少女は「さよなら」とお辞儀すると、すぐに走り去ってしまった。

この辺では見ない人だな… 少女のあとを見つめながら天馬は思った。

「…あれ?」
すると天馬は、自分の足元に落ちてるものに気づいた。
拾い上げると、それはノートだった。
白いノートで、地面に落ちたせいか、少し土で汚れている。

さっきの少女のものだろうか、とはいえ、もう少女は見えなくなっていた。
届けようにも、どうすればいいんだろう。

「あっ!部活!」
仕方ない、後で考えよう。そう思い、ノートをバックに入れると天馬は再び走り出した。

雷門中が見えてきた。
天馬はグラウンドに入る。すでに七分遅刻していた。
「遅くなりましたァー!…ってあれ?」
天馬は雷門中サッカー部員が集まるゴールの近くに行くが、いつもと様子がおかしいことに気づく。
「おい!大丈夫か?」
「しっかりしろ!」

そんな声がする。

「どうしたんですか?」
天馬はサッカー部のキャプテン、神童に訪ねる。

「天馬!剣城が…」
そういう神童の顔は戸惑っていた。
剣城がどうしたんだろ?
天馬は神童達が見ている光景を見てみる。

剣城が胸を抑えながら倒れていた。

「剣城…?」
状況を理解した天馬はそう言った。

「ぐあっ…っ!」
剣城は苦しそうにうめく。
「とりあえず、保健室に運ぼう」
神童は言った
「俺が運ぶ」
三年生ゴールキーパーの三国はそう言うと、剣城を背負って保健室へと走っていった。

「…剣城、どうしたんですか?」
天馬は神童に訪ねる
「俺たちにもわからない」
神童は続けた

「剣城は俺たちより早く来て、普通にシュート練習をしてた。そしてしばらくしたら…突然倒れた」
「………」
天馬は黙って聞いていた。
「特に顔色も悪くなかったよな」
すると少女のような容姿端麗のディフェンダー、霧野は言った
「シュート練だって、いつもと威力変わらなかったし」
「…ああ」

こんなこともあり、今日の朝練は中止になった

天馬は誰もいない教室で一人、あの少女が落としていったノートを見ていた。剣城のことも心配だが、こっちも気になる。

「コトモノート?」

表紙には、そうかかれていた