二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第十六話 ( No.36 )
日時: 2012/07/14 08:04
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「おはよう天馬くん」
「おはようございます…」
天馬が起きて小屋から出てきたのは、すでに皆小屋から出たときだった

朝は皆パンを朝食に食べた 天馬はサンドイッチにミネラルウォーター

「皆は家の人が心配したりしない?」
「…まぁ心配はしてるだろうな」
由沙美に神童は言った

「…ごめんなさい」

みんなの視線が天馬に向けられる
「俺のせいで…皆を巻き込んで」
「気にするな」
神童は言った

帰れば、秋を危険にさらしてしまう、だから事件が解決するまで帰れない

「そういえば剣城くん家族心配しないの?」
「…シオルを『治療』したあと、また海外に行ったから、今は独り暮らし」
剣城は狩屋に言った
その時

一瞬、天馬の視界がぼやけた

「…あれ?」
天馬は目を閉じて頭を押さえる
何だろ…

次に目を開けた時、天馬はまったく別の所にいた

青い海の中のような場所で、何もない
「ここは…」

『天馬』
声がした

振り返ると、そこには一人の黒いローブを着た、天馬と同じ位の背丈で同い年位の人間がいた フードのせいで顔が分からない

「…君は?」
『君がずっと認めてこなかった、もう一つの君』

意味が分からなかった

「一体ここはどこ?俺はどうなったの?」

その時

フードの人間が笑った

そのとたんに天馬の目の前は真っ暗になる

——————

「天馬!天馬しっかりしろ!!」
次に目を覚ました時、最初に目に入ったのは、神童だった

「あ…キャプテン…」
「大丈夫か?」

天馬は地面から起き上がる
どうやら気絶していたようだ

「俺は…どうしたんですか?」
「突然倒れたんだ」
剣城は言った

「…天馬くん」
するとロゴは口を開く
「気絶してる時、何か見た?」
「え…」
何で知ってるんだろう

「…フードを被った人がいました」
天馬は答える
「君のコトモノは同一型だよね?」
「はい」
「………」
おかしいな ロゴは思った
その時

突然剣城はポケットからカッターを取り出し、カチカチと刃を出す
「剣城?」
神童は剣城に言った

次の瞬間、素早く動いた剣城は神童の肩にカッターをグッサリと刺した

ここにいる誰もが、何が起きたのか理解に苦しんだ

「え…?」
「つる…ぎ?」
神童は声を絞り出す

剣城は無言でカッターを思い切り引き抜いた
カッターの刃からは血が滴り落ちる

「うわあああっ!!」
神童は刺された肩を抑えて叫ぶ

「剣城くん!なにを…」
狩屋の声も耳に届いていないようだ

剣城はカッターを構える
もう一度神童に刺す気のようだ

「剣城くんやめろ!」
ロゴは叫び、剣城の首を思いきり叩く

「あ…」
一言声をこぼして剣城が倒れそうな所を天馬と狩屋が支える

「気絶してる…」
「寝かしとこうか」
二人は小屋に運んでいった

一体剣城くんに何が起きたんだ?
ロゴの中に新たな疑問が生まれた