二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第十七話 ( No.39 )
日時: 2012/08/01 22:38
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「くっ…」
神童は刺された肩を抑えた
止血をして包帯を巻いたが、痛みは続くようだ

俺はもう痛くないけど、コトモノのおかげ?
天馬は刺された肩をさする

「剣城は?」
「寝てます、…でも、うなされてるみたいで」
狩屋は言った

何で剣城があんなことをしたのか
少なくとも剣城自身の意志ではないと天馬は信じていた

「剣城は…何かに操られてたんじゃないですか?」
天馬は言った

「…私もそう思う」
すると由沙美は口を開く
「剣城さんはあんなことする人じゃない」

「でも、一体何に?」
神童は言った

「…聞いたことあるんですけど」
狩屋は言った
「遺言詞症候群の人はもちろん、『治療』した人も、そのあと脳が完全に正常になることは無いらしいです」
「そうなんだ…」

「この話と何か関係があるのか?」
神童は訪ねる

「…コトモノを『治療』した初めの十五年辺りは精神が不安定になりやすいらしいです、だからなんか…弱い電波とかの影響も受けやすい」
「剣城くんは…何かの電波に操られた可能性があると言うことか」
ロゴは言った

「…思ったんですけど」

天馬に皆の視線が集まる

「…俺には、希緒莉さんが俺を襲うことと、コトモノだった人が次々と倒れる事件と、剣城が何かに操られたこと…すべて繋がっている気がするんです…」
「何で?」
狩屋は訪ねる

「だって…こんなに一度に起こると不自然じゃ無いですか?」

「…君の読みは当たってると思うよ、天馬くん」
ロゴは携帯を見ながら言った

「都市のニュースが載った携帯新聞を見たんだけど、…コトモノを『治療』した人が都市の方で殺人未遂を起こしたんだ」

皆の目の色が変わる

「同じような事件がほぼ同時に七件起きたんだ、しかも被害者はみんなコトモノを持ったことが無い普通の人間…剣城くんと似てない?」

「確かに…」
神童は呟く

「…でも、これに希緒莉が関わっているのかは分からない」

ロゴが言ったその時

小屋のドアが開き、剣城が出てきた

「剣城…」
天馬は呟く

剣城の顔色は悪く、汗だらけだった

「身体大丈夫?」
「…平気だ」
剣城は答える

「…なぁ、俺は何をしたんだ?」

六人の間に重たい空気が流れる

「俺は…まさかキャプテンを殺そうとしたのか…?」
肩に包帯を巻いている神童を見て剣城は言った
「………」
神童は何も言えなかった

「剣城…」

「………ッ!」
突然剣城は背を向けて走り出した

「剣城!」
天馬は追いかける

「天馬…っ!!」
追いかけようとした神童は肩を抑えて膝をつく

剣城……