二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二話 ( No.4 )
- 日時: 2012/06/08 19:58
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
稲妻町にあるホテル<イナズマイン>は、観光客がよく泊まるホテルとして知られているところだ
そのホテルの三階、407号室に、ロゴと由紗美は泊まっていた
部屋はトイレ・バスルームが1つ、リビングが1つ、小さい寝室が二つの部屋だった
リビングではロゴが一人、何枚かの写真を見ていた
やっぱり、これらで共通するのは……
その時、由紗美がドアを開けて部屋に入ってきた
もうお昼を過ぎていた
「ロゴにい…」
由紗美は今にも泣きそうな顔をしていた
「ど、どうした?」
「どうしよう…」
由紗美は言った
「コトモノート、落としちゃった」
「…え?」
落とした?
コトモノートを?
「さっき走っているとき、男の子とぶつかって…多分そのときに落としたんだと思う」
「探したか?」
「うん、ぶつかった場所に行ってみたけどなかった」
由紗美のコトモノートは、ロゴが由紗美の為に別のノートに複写したものだった
「ごめんなさい…せっかくのノートを…」
「いいよ、また僕がノートを写してあげるから…」
「ううん、あのノートがいいの。ロゴにいにもらったものだから…」
そして由紗美はあることを思い出す
「そういえばあの男の子、イナズママークが入った学ラン着てた。その人が持ってるかも知れない」
「イナズママークの学ラン…」
そしてロゴは思い付いた
「雷門中学校」
「雷門中学校?」
「ああ、サッカーの名門校だよ」
「…私、行ってみる」
由紗美はドアを出ていった
「由紗美!」
ロゴもそのあとを追った
——————
授業が終わり、放課後になってやっと、剣城の容態は良くなってきた
天馬、神童、狩屋の三人は、剣城の様子を見に保健室まで来ていた
「…すまない、心配かけて…」
ベットから起き上がった剣城は言った
「気にしないで、剣城くんは休んでなよ」
狩屋は穏やかな顔で言った
「あの時はどうなるかと思ったけど…大丈夫みたいだな」
「………」
神童が言うと、剣城は黙った
何だか、剣城らしくないな
天馬は思った
「体調が良くなったら練習に来てね」
「…言われなくてもな」
剣城は天馬に言った
その後三人は保健室をあとにし、サッカー部が練習するグラウンドに向かった
「神童!」
グラウンドに行くと、真っ先に霧野が神童に話しかける
「剣城どうだった?」
「だいぶ回復したようだ」
神童は答える
「しばらくしたら来れると思う」
「良かった〜」
ゴーグルを着けた2年MFの浜野は言った
「準備をして…1時から練習を始めよう」
『はい!』
神童が言うと部員達は元気よく返事をした
部員達はサッカーボールやゴールなどの準備を始める
天馬は昨日磨いたサッカーボールの入ったかごを引っ張ってきた
すぐに1時になり、天馬達は練習を始めた
今日はホーリーロードに向けての紅白戦だった
「”ダッシュトレイン”!」
がっしりとした体格の三年DFの車田は、相手の浜野からボールを奪う
「松風!」
そして近くにいた天馬にパスを出す
「キャプテン!」
そして天馬は神童にパスをする
神童は一気にゴールの前までやって来た
「三国さん!」
「来い!神童!」
「”フォルテシモ”!」
「”バーニングキャッチ”!」
神童のボレーシュートを、三国は地面に押し付ける
そしてボールが止まった
「やっぱりまだまだか」
神童は止められたボールを見て言った
「でも、前より威力はあがってるぞ」
三国は言った
「ありがとうございます」
神童は微笑んだ
休憩時間、部員達はベンチなどで休んでいた
「疲れた〜」
浜野は言った
「………」
そんな時、天馬はあの少女が落としていったノートを見ていた
ノートには意味不明な文字列と様々な絵が描かれていた
「なに見てるの?」
すると隣に座っていた浜野はノートを横から見た
「どうしたの?このノート」
「今日拾ったんです」
天馬は言った
一体、このノートは何なんだろう
天馬には検討もつかなかった
その時
「誰だろうあの子」
「見かけない人だな」
霧野と神童が話しているのを見て、天馬はむこうを見た
「あっ…」
そして声を上げる
グラウンドの外にいたのは、ノートを落としていった、あの少女だった