二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第十九話 ( No.46 )
- 日時: 2012/08/05 19:46
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「俺の…身体を?」
天馬は初め、<インデックス>の言ってる意味が分からなかった
すると<インデックス>はフードを取った
そこにいたのは、天馬のそのままの姿だった
『コトモノと発話者は二つで一つ…だから俺はキミと同じ姿』
<インデックス>は言った
「…俺の身体を使うってどういうこと?」
天馬は尋ねた
『そのままの意味だよ、人格をキミと俺、入れ替えるんだ』
<インデックス>と俺を入れ替える…
『まあこの身体はキミのだから、俺は完全に支配は出来ない…一時的なものだよ』
「本当に?」
<インデックス>はうなずいた
「…わかった、いつかキミに俺の身体を貸してあげる」
『じゃあ決まりだね』
<インデックス>がそう言ったのと同時に、天馬は再び 視界が森の中に戻る
天馬は立ち上がって辺りを見た
『こっち』
<インデックス>の声に導かれ、天馬は歩き出す
さっきよりも雨が強くなっている気がした
その時 向こうの方に人影が見えた
「剣城!!」
天馬が言うと、人影は逃げ出した
間違いない、剣城だ
「剣城!待って!」
必死で追いかけるが、元シードの剣城の足は速く、追いつけない
『…俺を出して』
「え?」
『策があるんだ』
策って一体…
よく分からないまま天馬は「わかった」と言った
とたんに、天馬の意識と<インデックス>の意識が入れ替わる
天馬は身体の中と言うより、<インデックス>の中にいるという感覚が強かった
「よーく見といた方がいいよ、<インデックス>の能力を」
<インデックス>は言った
<インデックス>の…能力?
すると<インデックス>は自分の遺言詞を詠唱した
その時だった
剣城の目の前に突然、木が倒れた
『え?!』
天馬は驚く
次の瞬間、天馬は再び身体に戻った
「くっ…」
立ち止まる剣城に天馬は近づく
「剣城…」
「…松風」
剣城はこちらを振り返る
泣いているようにも見えた
「皆のところに戻ろう、風邪ひくし」
「俺が何をしたか分かってるのか?」
剣城は言った
「俺はキャプテンを殺そうとしたんだぞ」
「でも、キミの意志じゃないんでしょ?」
天馬は言った
「…シオルがあの時言ったんだ、キャプテンは君の敵だってな そして意識が遠くなって、俺はキャプテンを襲ってた」
剣城は顔を背ける
「…もう俺は皆の所には戻れない」
「大丈夫だよ」
天馬は言った
「みんな、剣城の事心配してた 戻ってきて欲しいと思ってるよ」
すると剣城はぼろぼろと涙をこぼす
「…怖いんだよッ!…またキャプテンを襲ってしまうのが…ッ!!」
「…わかってるよ」
天馬が言うと、剣城は天馬にすがり付いた
「…俺はッ…どうしたら…」
「きっと何とかなるからさ…戻ろうよ剣城」
天馬は剣城の背中をさすった
これほど剣城が号泣する姿を、天馬は初めて見た