二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二十話 ( No.49 )
- 日時: 2012/08/07 13:47
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
天馬と剣城が戻ってきたのは、雨が止んだ頃だった
「天馬!剣城!」
神童は二人を呼んだ
剣城は神童に近づくのを少しためらっているようだった
まぁ 無理もないか
「…二人ともびしょ濡れだね、特に天馬さんは泥まみれだし」
由沙美は言った
「二人とも、これで身体を拭きなよ」
そう言って狩屋は天馬と剣城に白いタオルを渡す
「…すまない」
「ありがとー狩屋」
二人は受けとると、それで身体を拭いた
「…<インデックス>、さっき木が倒れたのは君がやったの?」
『そうだよ』
<インデックス>は言った
「…剣城、何でキャプテンを殺そうとしたの?」
狩屋は剣城に訪ねる
「………」
「操られていたんだよ」
剣城の代わりに天馬は言った
「松風…」
「だよね、剣城」
「…ああ」
剣城はうなずいた
「…もし、また俺がキャプテンを殺しそうになったら、もう仲間と思わなくていい」
「考えとく」
ロゴは言った
「…でも、気を付けてね」
「ああ」
剣城は狩屋にうなずいた
——————
神童…
俺は…死んだのか?
そう思っていると、突然あの日の記憶が込み上げてくる
『てめぇら動くな!』
そうやって怒鳴り散らすトレインジャック犯
泣いている人
落ち着いている人
みんな様々だ
そして仲間の一人が銃を発砲する
『あ…』
発砲した先には、ドアから出てきた未来がいた
瞬く間に未来の腹は血の赤で染まる
『未来ッ!!』
未来が倒れるのと、神童が叫ぶのは同時だった
トレインジャック犯などは気にもせず、神童は未来に駆け寄った
『お…兄…』
『未来ッ!しっかりしろ!』
嘘だろ…
だが、赤く染まっていく床と、光を失っていく未来の瞳が、現実を物語る
『嫌だッ…未来…死ぬな!』
神童は泣きながら言った
やがて未来は動かなくなった
未来ッ! 未来ッ!
目の前が真っ暗になる
その時
「はっ………」
霧野は目覚めた
ここは稲妻総合病院らしい 右腕には点滴と、酸素マスクがつけられている
「みく…」
力のない声で霧野は言った
そうだ、神童達は?
まさか…死んでないよな
「しん…どう…」
霧野は起き上がろうとする
だが、力が入らず、起き上がれない
その時
霧野の病室に誰かが入ってきた
親かな…そう思ったが違った
「お…まえ…は…」
威嚇の目を霧野は向けた
「こんにちは、霧野君」
そこにいたのは
フィフスセクターの聖帝 イシドシュウジだった