二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第二十一話 ( No.52 )
日時: 2012/08/10 20:21
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


「俺も剣城も泥だらけだねー」

そう言う天馬が今いるのは、神社を少し歩いたところにある天然温泉だった

珍しく今日は天馬達しかいない
無料の温泉で、全員レンタルの水着を着用している

「まぁ俺達は雨でずぶ濡れになったからな」
髪を洗い終わった剣城は言った

藍色の髪は、束ねていないと長く、背中位まである

「にしても、よくこんなとこに温泉があったね」
湯船に浸かるロゴは言った

温泉に入っていても、ロゴはヘッドバンドを着けている

「キャプテン、背中流しますか?」
「ああ、頼む」
天馬はタオルで、腰かける神童の背中を流す
「俺も流そうか?」
「いや…二つ穴が開いているんで」
そう言って天馬は断った

今背中をこすれば、大変な事になる

「………」
ロゴは天馬を見つめる

「どうしたんですかロゴさん?」
「…天馬くんの髪ってさ…生まれつき?」

恐らくこのチョココロネのような髪の事だろう

「はい、小さい時から」
「お湯かけたらどうなるの?」

ロゴが訪ねた時だった
「うりゃ!」
「うわっ?!」
突然狩屋が天馬の髪に桶に入れたお湯をかぶせた

だが、チョココロネは相変わらず

「狩屋ー驚かせないでよ」
「油断大敵だぜ」
狩屋はニッと笑う
「松風のコレはこうしたら…」
「うわあっ?!剣城ッ!!」
いつの間にか背後にいた剣城は天馬の髪を掻き回す

当然の事ながら、チョココロネはグシャグシャになる
「でも天馬…」
「普通だ…」
神童とロゴは言った

天馬の髪はグシャグシャになり、普通の少年と同じような髪形となっていた

「でもコレ、乾かしたらすぐ戻りますよ」
「お前の髪はどうなっているんだよ…」
剣城はあきれて言った

「…ロゴさんはヘッドバンド取らないんですか?」
神童は訪ねる
「うん、ちょっとね…」
ロゴはそう言ってヘッドバンドを押さえる

「…とりゃ!」
「ふぁっ?!」
天馬は狩屋の顔に桶に入れたお湯をぶっかける
「天馬くんっ!」
「油断大敵なんでしょ?」
天馬は満天の笑顔で言った

「お前らはガキ…」
言いかけた剣城の顔にも天馬はお湯をかける
「…殺す!」
「うわー!!」

剣城は凄い顔で天馬と狩屋を追いかけた
そして二人はダメージが大きい水をかけられる
「剣城 俺は怪我人…」
「知るか」

「三人とも 止めた方が…」
神童が言いかけると、剣城は水を神童の顔にかけた
「…俺 泣くよ?」

「楽しそうだな」
そんな四人の光景を、ロゴは湯船から見ていた
くるみの家でも、あんなことしたな

「ロゴさんもやりませんか?」
すると天馬はロゴに近づく
「いいの?」
「皆の方が楽しいですよ!」
「…じゃあ僕もやろうかな」
ロゴは湯船から出る

「僕、手加減きかないからね?」

そう言ってロゴは桶を掴んだ

——————

ロゴにい達楽しそうだな…
一人 女湯に入っている由紗美は思った 隣の男湯にいるロゴ達の声はここまで届いている

『…水着着用の温泉なんて初めてね』
由紗美の中にいるコトモノは言った

「うん、でも嫌いじゃないから」
『そう』
コトモノはため息をつく

いつまでも、こんな時間が続けば良いのに
由紗美は思った