二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第二十三話 ( No.56 )
日時: 2012/09/01 11:37
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


天馬たちがやって来たのは、今は使われていない古い倉庫だった

「着きました」
天馬は言った
「ここに希緒莉が…」
「でも、話聞いてくれるかな」
由紗美は言った

六人は入り口から倉庫に入った
中は暗く、いろいろな物が置いてある
「なんか出そうだな」
「やめろ」
狩屋に神童は言った

その時

「…ヨクここが分かったナ」
機械のような声が混ざった声がした
六人全員が上を見上げる
高く積み上げられたコンテナの上に、マスクをつけた暗殺者、露城希緒莉は立っていた

「希緒莉…」
ロゴが呟く
「バカなやつらだな、ワザワザ殺されに来たノカ?」
希緒莉は笑う
「希緒莉!僕は話がしたいんだ!」
ロゴが叫ぶ
「…ロゴ、俺はそんな名前捨てたよ、今は…」
希緒莉は刃物を袖から出す

「【城霧結斗】だッ!!」

希緒莉はこちらに飛び降りた
やっぱり話は聞いてくれそうに無い…ロゴは思った

「…天馬、教えてあげるよ」
<インデックス>は言った
『何を?』
「<インデックス>の能力をね」
<インデックス>はそう言うと、自分の遺言詞を詠唱する
「遺言詞の詠唱…?」
由紗美は呟く

一瞬だけ、辺りがぼやけたのが剣城には分かった
「なんだ?」

「…死ね」
そう言い、希緒莉は刃物を投げた
天馬の身体を借りた<インデックス>は逃げようともしない
「天馬!」
神童は叫ぶ

だが、<インデックス>が薄く笑ったその時

投げられた刃物が空中で止まった、丁度<インデックス>の目の前で

「え?!」
「なんだ?!」
由紗美と剣城は声を上げる
「ナ…」
希緒莉も驚きの表情を見せる

「…これ、カッターナイフだね」
空中で止まった刃物を見て<インデックス>は言った
「じゃあこれはどう?」

<インデックス>が言ったとたん、刃物が向きを変えて希緒莉の方に向かった
「くっ!」
希緒莉はかわす
「甘いよ」
かわした刃物は、動きが鈍った希緒莉の背中に突き刺さった

「あああッ!!」
希緒莉は声を上げた
『<インデックス>、何をしたの?』
「事実の書き換えさ」
<インデックス>は答えた
「遺言詞を詠唱することで、周りの事実を都合よく書き換えられる」

<インデックス>は倒れて動けない希緒莉の前まで来た
「て…めぇ…」
希緒莉はうめく
「まだやる気?」
刃物を出す希緒莉に<インデックス>は言った
「じゃあその刃物を折ったらどうなるかな?」

言った瞬間 希緒莉が袖から出していた刃物がボキッという音を立てて折れた
「うわあああっ!!」
声を上げて苦しむ希緒莉を、<インデックス>は面白そうに見ていた

「天馬くん!もういい!」
ロゴが<インデックス>に言った
「これ以上苦しめる事は…」
「相手は敵ですよ?こっちがやらなきゃこっちがやられる」
<インデックス>は言った

けど、これじゃあ一方的過ぎる
神童は思った

「身体が重いよね、それは俺が君の重力を操作したから」
「くそっ…」
急に重たくなった身体を起こせない希緒莉は<インデックス>を睨む

「…そろそろ止めを刺そうかな」
折れた刃物がふわふわと空中を漂う
そして刃物は狙いを定める

「松風!」
「止めろ天馬!!」

そんな声は無視する
「…さよなら」
刃物を希緒莉に刺そうとしたその時

「天馬くん止めて!!」

え?
一瞬 <インデックス>が動きを止める

<インデックス>の目の前に立ちはだかったのは、秋だった

「秋…姉」
「もう止めて…天馬くん…」
ぼろぼろと秋は泣いた
「二日も帰ってきてないと思ったら…ついてきたらこんなこと…もう…」

力が抜け、刃物がカランと床に落ちた
その時だった

「あ…」
小さく秋は声を上げる

秋の腹からは長い刃物が突き出ていた
「すき…だらけだ」
声を荒げながら希緒莉は秋から思いきり刃物を抜いた

腹を赤く染めた秋はそのまま倒れた

「秋姉ッ!!」