二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第五話 ( No.8 )
- 日時: 2012/06/10 22:36
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「練習お疲れ〜」
「疲れたー」
夕方の5時頃、今日の部活が終わった
今日の練習は少しハードだった そのせいか、部員のほとんどがくたくただった
疲れを見せていないのは、三国、神童位だ
「はぁ…はぁ」
珍しく、剣城も疲れているようだった
「…松風」
「どしたの?」
天馬は剣城を見た
「今日病院に行くんだけど、付き合ってくれるか?」
「うん、いいよ」
特に理由もなく、天馬はあっさりとうなずいた
——————
二人が居るのは稲妻総合病院
朝練の時倒れた剣城は、検査のためこの病院に来ていた
検査の間、天馬は剣城と別れて病院内を歩いていた
どこに居るのかな……
そう思った時だった
「あれ?天馬?」
後ろから声がした
振り返ると、新雲学園のエース 雨宮がいた
「太陽!」
天馬は雨宮を下の名前で呼んだ
「天馬元気だった?」
「うん、太陽は?」
「見ての通り元気さ」
雨宮は笑った
「今日はどうしたんだ?」
「剣城の付き添いだよ」
「…なんかあったのか?」
雨宮は訪ねる
「朝練の時に剣城が倒れてさ、回復したけど原因不明だから検査に来たんだ」
「へぇ〜…」
すると雨宮は口を開く
「なぁ天馬、コトモノって知ってるか?」
一瞬、天馬は目の色を変える そして
「…聞いたことある」
そう言った
なんで太陽がコトモノを知っているんだろう
「病気かなんからしいけど、最近まで居たんだ、コトモノを『治療』したことがある人が」
『治療』すなわち、自分のコトモノを殺して、普通の人間になることだ
「その人、なんで入院してたの?」
「剣城みたいに倒れたんだって、話して見ると、『コトモノがまた来た』とかって言っていたよ、だから大都市の病院に移っていった」
コトモノがまた来た
どういう意味だろう、『治療』したコトモノがまた戻ってきた?
ますます意味がわからない
天馬は雨宮と別れ、剣城の居る検査室へ戻っていった
それでも、未だに雨宮が言っていたことが頭の中で渦巻いていた
検査室のドアの前に来た天馬はノックをしようとした
その時だった
「…やっぱり」
声がした 剣城じゃない 先生のようだ
「原因不明の病、と言った方が良いだろう」
「やっぱりってなんですか?」
剣城の声だ
「東京の大都市では、君のように倒れる人が続出しているんだ その人達の共通点は、かつて何かのコトモノを持っていたということ」
先生の言葉が、はっきりと理解出来ない
剣城はかつてコトモノ?
先生の言い方だとそうなる
「君は前に何かのコトモノを持っていたかい?」
「………」
「…まぁいい、また来なさい」
そして足音がして、剣城がドアから出てくる
「松風…」
剣城はドアの近くに立っていた天馬を見て言った
「…聞いていたのか」
「うん…」
天馬はうなずいた
「…松風、この事はキャプテン達には黙っててくれるか?」
「でも…」
「頼む」
「………わかった」
すごく暗い顔の剣を見て、天馬はそう答えるしかなかった