二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピ×ダン戦-交わる三本の線 ( No.107 )
日時: 2012/06/29 19:24
名前: 勇騎那 (ID: sf8nzsVh)

「(私とシャンクスに赤ちゃんが……!!)」

アマンダが赤髪海賊団の船員となり、シャンクスと長年の恋が実ってから3年の月日がたった。
アマンダはシャンクスの恋人であり、一児の母になった。
子を身ごもったと船医から聞かされたときは今まで生きてきた中で一番うれしかったが、すぐにこの子は生まれてくる前から命が危険にさらされていることに気付いた。
母は奴隷解放の大罪人で、元ロジャー海賊団船員。
父は"四皇"であり、彼も海賊王の船員だ。

「(もし、政府がこの子の存在を嗅ぎ付けたら………)」

言わずと想像できることだった。
アマンダは決意する。

—————————————

「シャンクス、私……」
「何だ?言いたいことがあるんだろ?」
「………この船を降りる」

シャンクスは頭が真っ白になった。
アマンダがどうして赤髪海賊団を降りるのかはわからないが、彼女がいない航海なんて考えられなかった。

「何でだ!!おれ、お前に何かしたか!?」
「ええ。私が海賊生命を絶たなくちゃならないことをされました」
「それは何だ!?」
「あなたと私の子供が私のおなかにいる」
「ガキができただと……!!?」
「許して………」

目の前には、自分の恋人はいなかった。
いるのは偉大な母と世界一いい女だった。
シャンクスは意を決す。

「"穢れた血"のガキなんてレッテルをものともしないほどの無法者にしろ」
「分かったわ……」

アマンダは微笑み、シャンクスに背を向けた。
それが、海の上で最も美しく最強夫婦の最後の会話だった。
2人が生きている内に会うことは二度となかったという。

最愛の人の姿が見えなくなった時、アマンダは泣きだした。

「うっ………。わああああああ!!!」

涙がとめどなく津波のようにあふれてくる。
アマンダは地面に膝をつき、泣き崩れた。

「シャンクス……!!シャンクス……!!ずっと…愛してる………!!愛してる………!!」

壊れたように何度もシャンクスの名を呼び、面と向かって一度しか言ったことのない愛の言葉を涙に交じった中で囁いた。

生涯、プリンセス・アマンダはどの男にもひかれることはなかった。
彼女が愛し、愛されたのは"赤髪"のシャンクスただ一人だった。