二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ワンピ×ダン戦-交わる三本の線 ( No.150 )
- 日時: 2012/07/04 18:50
- 名前: 勇騎那 (ID: ybb2RaRu)
「ゴドリック〜!!会いたかったよ〜!!」
レイはゴドリックに抱き着いた。
「"シリウス"に出るためここに来たらお前に会えるなんてな」
「え!?"シリウス"が開かれてるの!?」
「知らなかったのか?」
はい。そうです、と言いたげな顔をしたレイだった。
「ゴドリックを探すのに必死だったから……」
「そんなレイちゃんも好きだ〜!!」
目をハートにしたサンジは愛用のおもちゃがとられると勝手に妄想したゴドリックに蹴られた。
フォークスは四角い目で冷やかに見やった。
「でも、そんなおいしい大会がすぐ近くにあるんだったら出ないわけにいかないよ」
「オレたちと同じチームで再登録しておくか」
「おれとフォークスとカイル、麦わらの一味、それからこいつらは」
相棒と人形、麦わらをかぶったドクロの海賊旗を掲げる海賊団、バンやジンたちを指してゴドリックは口から爆弾を言った。
「"シリウス"に出てるんだ」
「「「「「「「「「はァァ!!?」」」」」」」」」
ヒロや直輝らは目玉を飛び出して驚きをあらわにした。
「ゴドリック!"シリウス"って何よ!!」
「「「「「「「いや、そこかよ!!」」」」」」」
ハルに麦わらの一味—ロビンとブルックを除く7名—によるツッコミが決まった。
ゴドリックは悪党らしい顔をして妖艶に語りだした。
「略奪、殺人、悪辣、どんなことをしようと反則にならないルール無用のバトル大会。いや、海賊同士による海賊同士による殺し合いと言った方がいい。それが"シリウス"だ」
生ぬるい現実しか知らない男女たちは身を震わせる。
「殺し合い!?」
「何のためにそんなことを……!!」
「同じ人間同士で殺し合うなんておかしいです!!」
一番反応したのはランと尚志とヒロだった。
ゴドリックとフォークスは眉をひそめ、カイルはヒロの胸ぐらをわしづかみにし、あざ笑った。
「クククク!!……だから君たちは弱いんだよ。君たちがいた世界がどんなものかは知らないけど、この世界は殺し合いで出来てる。弱い奴は強い奴に殺されるだけ。だから強者たちはしのぎを削る。平和ばかりを願う凡人にこの海で生きる場所はないんだよ」
カイルは何も言わないヒロを見つめ、手を放した。
ヒロはカイルに圧倒されたのか、地面にへたり込んだ。
彼の漆黒の目は世の中の裏の闇を映したようだった。
「レジーナ……」
レイは彼の心に触れた気がした。
カイル・レジーナという人間は他人を人間から感情のない操り人形にするために無駄な事を喋らない。
だが、こんな抽象的なことを言うときのカイルは何かに訴えかけているのだ。
「死ぬ覚悟じゃなくて、生きる覚悟、強くなる覚悟がないと………海に沈むよ」
カイルは一人、宙を蹴り、空へ飛び立った。
一方、残されたヒロや、ゴドリックとフォークスとレイ、麦わらの一味は誰一人として口を開こうとしなかった。
ズーンと重い空気が流れる。
「カイルのやつが言ってたのは事実だ。"偉大なる航路"—グランドライン—では強くなけりゃ潰されちまう」
沈黙を破ったのはウソップだった。
「でも、本当にそれだけなのか?」
チョッパーはカイルを心配しているように言った。
皆が皆、チョッパーに目を向ける。
「あいつ、よくわかんないけど何か苦しんでるように見えるんだよ」
「苦しんでると言えば、そうなるな」
チョッパーの言葉にフォークスが同意を示した。
「じゃあ、なんであいつはあんなに冷たい目をしてるんだ?どう考えても過去に何かあったとしか考えられねェ」
ゾロが疑い深く言った。
もともと警戒心が人一倍強いからこそ人を見抜く目があるのだ。
「カイルがその気になれば話してくれる」
ゴドリックが事をうやむやにした。
「レジーナは過去のことを聞かれるのを一番嫌うから」