PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 ( No.126 )
- 日時: 2012/07/17 17:06
- 名前: ハルはる (ID: 7EYM.IE5)
当たり前のように全中出場を決めた帝光。
いや〜もう、1日目以外退屈でした。ベンチで応援応援応援・・・。もういやだ。
でも・・・神様はあたしを見捨てた。
いつものように、部活から帰ってきたあたしは兄ちゃんと夕飯を食べていた。そんな時、家の電話が鳴り響いた。
「もしもし?あぁ、母さん?」
電話の相手はお母さんみたいだった。
なんの用だろうと兄ちゃんを見ていたら、兄ちゃんの顔が険しくなり、受話器を持っている手が震えていた。
嫌な予感がした。
「うん。分かった。俺はできるだけ早くにそっちに行くから。母さん無理するなよ?」
ドクンと心臓が跳ねた。
「杏奈」
「いゃ・・・聞きたくない」
「杏奈!」
「どうしようっ、あたし・・・」
きっと、お父さんの癌が再発したんだろう。
多分、今回はもう・・・
「杏奈はこっちにいろ。全中が終わるまではこっちにいるんだ」
「でもっ」
「皆で、優勝するんだろ?
父さんなら大丈夫だ。あの親ばかがそう簡単に死ぬわけないだろう?」
兄ちゃんの手は震えている。
「・・・っう・・・お父・・・さん」
「大丈夫だ。杏奈、苦しいなら泣け。
そんで、もう泣くな。強くなるんだろう?」
ギュッと兄ちゃんがあたしを抱きしめる。
涙が止まらない。ダムが決壊したかのように、止めどなく流れ続ける。
カウントダウンは、静かに始まった。
PR