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第１４Ｑ　『おは朝占い』







「ッちょっと！？」

「はいはい、暴れなーい」

「杏奈ちゃん我慢してね」

なぜか、あたしは今化粧をされている。
正面に彩華、両サイドに咲とさつき。

事の始まりは数時間前。





『12位は・・・ごめんなさい、蟹座のあなた。今日はなんだかよくないことが起こりそう。外出は控えましょう。そんなあなたのラッキーアッザーーー』

・・・？
おい、テレビ、どうした？

いきなりテレビが砂嵐になり、映らなくなった。
真ちゃんオススメのおは朝を見ていたのに、だ。

「まじか・・・最下位なのに・・・」

案外、いや必ずと言っていいほどおは朝の占いは当たる。
自分でも実証済みだ。

「・・・はあ、」

暑いし、なんかテレビ壊れるし、ほんとにおは朝は良く当たる。
ホント勘弁してほしい。

重い体を起こして、電話の前に立った。
まずは電気屋さんにテレビの修理を頼もう。

「お忙しいところすいません、家のテレビの調子が悪いんですが・・・
あ、はい。お願いします。住所は———・・・」

電気屋さんは明日の朝来ると言っていたので、リビングのソファーに寝転んだ。

・・・暑い。


「あー・・・」

「どうしたの、」

「っ！？はい！？」

なんで咲たちがいるんだ！？

「玄関開いてたから」

「それ不法侵入だよね？犯罪だよね？」

「はいはい。
でさー・・・浴衣持ってる？」

話飛んだ—。
そう思いながらも、浴衣の存在を記憶の中から掘り起こす。
確か、クローゼットの中に入ってたような・・・あ、あれ子供用だ。

「ない。でもどうしたの？」

「ん〜？花火大会行こうと思って。さつきも彩華も浴衣着るみたいだから」

「そんなのあたしが持ってるわ『ないよねー』

失礼だなおい。
ま、事実なんだけどさ。

「ってことで買いに行こう」

あたしも欲しいし。と咲が言ったので、町に繰り出すことになった。



・・・え、外出控えろっておは朝言ってたんだけど〜・・・




「杏奈はこれが良くない？」

「でも杏奈ちゃん絶対身長伸びるから・・・もうちょい大きめの・・・」

「この髪飾りよくない？」

さつきと咲と彩華があたしに浴衣を当てては変え、当てては変え・・・と浴衣を選んでいる。

『うん！これがいい！！』

そうしてご飯を食べて、家に帰った。

ま、こけたりお釣りが少なかったり、よくないことが連発だった。




・・・で、冒頭に戻る。



「出来た。さ、次は着付け〜」

テキパキと手を動かしている3人。
自分たちが浴衣を着る気配はない。

「咲ちゃん、メール送ったよ」

「え、彩華、あたしのケータイで何してんの」

「赤司君に花火大会のお誘いメール」







・・・はい？

「っっ・・・ふざけるな〜っっ！！！！」

あたしの叫び声はむなしく家のそばを通ったトラックの騒音に掻き消された。







・・・やっぱりおは朝は良く当たる。