二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 ( No.139 )
日時: 2012/07/23 19:03
名前: ハルはる (ID: /ZfshGS3)

赤司side



・・・珍しいこともあるものだと思った。


休みの日に杏奈からメール?・・・と、筋トレをやめてメールを見た。


『征十郎と花火大会に行きたいな★』



・・・あいつ、頭でも打ったか?
『行きたいな★』なんて普段の杏奈ならあり得ない。

ま、大方桃井や石井、西澤あたりが打ったんだろう。


「・・・、行くか。」

杏奈は全中が終わったら一旦アメリカに戻ると言っていたし。
今日はちょうどオフだしな。

『じゃあ、OO橋に6時』

簡単にメールを打つと風呂場でシャワーを浴びた。

着替えて頭を拭いていると桃井からメールが届いた。

『浴衣で行きなよ!』

・・・は?浴衣?
持ってないし、とダメもとで母親に聞いたらあるらしい。
サイズもピッタリ。

あと15分。
そろそろ行くか、といろいろと聞いてくる母親を振り切って家を出た。
自然と口元が緩む。





杏奈side

「やばい、遅刻する!」

カコカコと下駄を鳴らして走った。
動きにくい。こういうのは性に合わない。

てか、1秒でも遅刻したら殺される。

「あ!せいじゅっわぁっ」

征十郎の姿が見えて、少し気が抜けたからか、つまずいて転びそうになる。
あ〜最悪。もう嫌だ。

諦めかけたとき、

「あぶなっ」

誰か、知らない人が助けてくれた。

「あ、ありがとうございます!」

ペコッと頭を下げて征十郎の元へ急いだ。
・・・明らか、機嫌が悪い。・・・ケド

「征十郎っ浴衣!?」

灰色に細い白のラインが入ったシンプルな浴衣。
赤い髪が映えている。

「・・・」

「征十郎?」

「・・・」

なんで怒ってんのー!?
もう訳わからん!

「行くよ」

「ちょっ痛っ」

ギュッと握られた、征十郎の大きな手にキュンとしたけど、グイグイと引っ張られて痛い。

なんで?なんで怒ってんの?

「もう、や」

小さく呟いた。
視界がぼやけた。

「・・・っ」

どうして、こんなになっちゃったの?
もしかして、来るの嫌だった?

「杏奈、俺が怒っている理由分かってるのか?」

いつの間にか、歩くスピードもゆっくりになっていた。
ギュッとあたしの手を握ってこちらを向く。

「っわかん・・・ないよっ」

「・・・ごめん。ただの俺のわがままだ。忘れろ」

ギュッと抱き寄せられて耳元で囁かれた。
息が耳にかかってくすぐったかった。

「・・・う、ん」

離れて征十郎の顔を見ると少し赤かった。

「なんで赤いの?」

「うるさい。見るな」






(俺が助けたかったなんて、ただのわがまま)