二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 (14Q執筆中) ( No.141 )
日時: 2012/07/23 22:53
名前: ハルはる (ID: BvmlmLmy)

「征十郎・・・どこ〜?」

迷子になりました。

どっちが?って聞かれたらどっちだろう?って思ったけど、征十郎は間違いなく「杏奈が」って言うだろう。

「・・・はあ、足痛い」

「杏奈っち?」

「っ!おっ涼太じゃん!あれ、今日は一人?」

「・・・青峰っち達と」

「でもいなくない?」

「青峰っちが迷子で捜索中っす」

・・・なんか、きょうの涼太テンション低いな。
らしくない。

「・・・杏奈っちは赤司っちとっスか?」

「うん。でもはぐれちゃった。征十郎、そこまで背高くないから見つかんないんだよね〜。
赤い髪ってすぐ見つかると思ったんだけど」

「杏奈っち、今日泣いたでしょ。目元少し赤いっス」

「あはは、いろいろあってね」

まじか、赤いのか。
なんか恥ずかしいな。泣いたって気づかれたんだ・・・

「杏奈っち、ちょっといっスか?」

「え、」

手を握られて、木の陰に入った。
すれ違う女子全員が振り向く。こういう時、モデルなんだなって実感する。
整った顔立ちに、スラリと細長い手足。
でも引き締まっていてバランスがいい。

「杏奈っち、俺・・・




杏奈っちのこと、好きっス」


・・・変な冗談言うのやめて。
どうすればいいか分からなくなるじゃん。

あたしには征十郎がいる。
そんな事言われたって、答えられないよ。

「・・・涼太」

「杏奈っちは、何で泣いたんスか?赤司っちが原因っスよね?
俺は、泣かせないし、こんな風に離したりなんかしない」

やめてよ。
征十郎は悪くない。

征十郎のこと、そういう風に言わないで。

「だか「涼太。あたしは征十郎が好きなの。」

ホラ、なんでそんな顔するの?
しょうがないじゃん。あたしは征十郎が好きなんだもん。

涼太のこと、好きだよ?
でも、友達以上恋人未満なんだよ。

「ごめん。あたし、征十郎探さないといけないから」

これ以上、この空気に耐えられなくて、あたしは涼太に背を向けた。

その瞬間、後ろから強く抱きしめられた。
強く強く、でも大事な物を包むように。

「杏奈っち、ありがとうっス」

「・・・あたしこそ、好きになってくれてありがとう」

回された手を、ギュッと握って、離れようとした。



あぁ・・・ホントにおは朝は良く当たるなぁ・・・



「せ、いじゅうろ・・・」

「何してるんだい?」

「赤司っち!これは俺がっ」

「・・・言い訳は聞かない。」

そう言って、スタスタと歩いていってしまった。

待って。
違うよ。話を聞いて。

「征っ」

声が出なかった。
足もすくんで動けない。

どうして、こうなっちゃったんだろう。
仲直りしたじゃん。さっきまで笑ってたじゃん。

「あれ〜?白ちんと黄瀬ちんなにしてんの〜」

「青峰君見つけましたよ」

頬を伝って、地面に落ちる雫。
もう、それを止める手段は無かった。

「白崎さん!?」

「白ちん?」

「杏奈?どうした!?」

しゃがみこみ、声を上げて泣いた。

好きだよ、征十郎。
好きなのは征十郎だけだよ。



いろんな歯車は、噛み合うことなく、バラバラに回り始めてしまった。



回り始めた歯車は止まらない。





お別れまで、あと21日。