二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 (15Q更新) ( No.159 )
日時: 2012/07/26 14:13
名前: ハルはる (ID: /ZfshGS3)

第16Q 『違和感』


「大輝・・・食欲無くすからもう少し大人しく食べられない?」

「あぁ?別にいーだろ」

「あと・・・テツヤはもっと食えよ!」

「・・・」

え?無視ですか?
女のあたしでもご飯3杯食べてんのに・・・

「白崎が食べすぎなのだよ。
なぜそんなに食べているのに155しかないのだよ」

「え、身長のこと言っちゃう?
どーせ取柄はバスケだけですよー。それにまだ伸びるし」

ワイワイと皆で食事中。
明日はついに決勝だ。・・・まあ、その前に準決勝があるんだけど。

あと1日。家帰ったら、出国準備しないと。

・・・寂しいなぁ・・・

「よし!おかわりしよう!」

ガタッと椅子から立ち、お釜の所へ向かった。
視界に、征十郎が入る。

ついでに涼太も。

「っ・・・」

もう、この2人とも・・・

「やめたやめた!あしたの試合に集中しなきゃ!」

「なに独り言いってんだよ」

「なんでもなーい」

茶碗に大盛りに盛って、自分の席に戻ろうとした時だった。

ズキッ
右足に、鈍い痛みがはしる。

「・・・?」



でもそれは一瞬のことで、その後いくら動いても痛くはなかった。

だから、なんのケアもせず、次の日を迎えてしまったんだ。










「ん〜?」

「どうしたの?」

「・・・ん・・・いや大丈夫」

右足首に、違和感を感じ始めたのは朝のこと。
でも、「違和感」だったから、そんなことで試合に出られないなんてのは嫌だったから。

それに、最後だから。

「さっ、頑張るぞ〜」







「っ、」

試合中、何度も足に違和感を感じた。
無意識にその足をかばってしまって、逆に左が痛くなってきた。

「なにやってんだよ」

「ごめん。ちょい、スティールに専念するわ」

スリーは少しキツイ。
決勝だってあるんだもん。今無理しちゃいけない。

「だから得点はたのん『帝光タイムアウトです!』

征十郎が、ボールを外に出して、こっちに来た。
すこし怒っているようだ。

「杏奈、お前はこの試合下げる」

「え・・・、ん。分かった」


「杏奈っち、後は任せて下さいっス」

「涼太・・・頼んだ」

ばれてたのか・・・
やっぱ、征十郎は征十郎だなぁ・・・

「杏奈ちゃん、アイシングして、後でテーピングするから」

「さつき・・・お願いするわ」


アイシングをしながらコートを見る。
ちょうど、涼太がダンクをかました時だった。

かっこいいなぁ、涼太。

・・・あ、真ちゃんのスリーだ。


皆、かっこいいな。


「杏奈ちゃん?」

気付いたら、涙が頬を濡らしていた。
やっぱり、皆と離れるのやだな。

「痛い・・・」

足がズキズキと痛い。

心も、凄い痛い。










「杏奈、次の試合、いけそうか?」

「うん。てか、いかせて。
・・・最後だし」

「分かった。直前まであまり動くなよ」

「了解」

今、ちゃんといつも通りに話せてた?
征十郎に、ちゃんと・・・

「あ、」

携帯が、ポケットの中で揺れた。
ディスプレイには「白崎陽一」の文字

「っもしもしお父さん!?」

『お〜杏奈か?久しぶりだなぁ』

「お、父さん・・・元気?」

『あぁ。大丈夫だよ。今・・・全中会場か?』

「うん。もうすぐ決勝だよ」

『頑張れよ。』

「・・・それだけ〜?ま、いいけど。じゃあ、絶対に勝ってくるから。」

『メダル、金以外はいらないからな』

「はいはい。じゃあ、いってきます」



お父さんのために。


「絶対勝つ!」