二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 (15Q更新) ( No.163 )
日時: 2012/07/26 22:56
名前: ハルはる (ID: kM82Y1ex)

最終Q 『別れの時』


「あ〜・・・疲労骨折してますね」

「疲労骨折?」

「まあ、簡単に言えば、バスケのやりすぎです。
全国大会で一気にひびが入ったのかな。あまり表面上にはでないからねぇ・・・」

「はあ・・・」

「・・・あまり男子と混ざってバスケをすることはお勧めしないよ。
多分、骨が少し弱くなってるかな。」

「え・・・そう、ですか」

「まあ、ギブスしておこうか。」

「はい」

バスケを、もう男子とは出来ない・・・
ってことはもう、あいつらと一緒に・・・

ギブスを巻かれながら、色々と考えた。

いい機会かもしれない。
征十郎と別れる、アメリカに帰るのだから。








「あ、お父さん?あたし疲労骨折だって。で、明日の飛行機でそっち行くから」

『疲労骨折!?・・・そうか、大変だな』

「ん〜、ギブスは1週間くらいで取っていいそうだから・・・そっちの病院だけ手配お願い。
これから皆のトコ行くからまたね」

『あぁ。また、こっちついたら電話してくれ』

「了解」

元気そうだった。
病気は、大丈夫なのかな・・・?

「さてと、タクシーで行くかな」

あたしは病院を松葉杖で出ると、タクシーで中学に向かった。







「皆〜帰ってきたよ〜」

「・・・何その足!」

「あ、さつき〜、疲労骨折だって。」

「え・・・大丈夫なの?」

「・・・うん。大丈夫」

大丈夫じゃないけど。
もう皆とバスケは出来ない。

さつきだけが体育館内に残っていて備品整備をしていた。
きっと皆は外周中だろう。

「じゃ、荷物まとめるの手伝ってくれる?」

「うん。いいよ〜」

そのまま部室の扉を開けた。

パァン!

部屋に響いたクラッカーの音。
紙くずが降りかかる。

「杏奈っち!座ってくだ・・・その足どうしたんスか!?」

「ん?疲労骨折〜。で、これは何」

「白ちんのお別れ会だよ〜」

「クラッカーはなんか違うよね皆」

『・・・』

まあ、いいけど。
あ、だめだ泣きそう。

「何泣いてんだよ」

「うるっさい!」

ポロポロと、頬を伝う。
うれし泣きなのか、悲しいのかよく分かんない涙。

「皆と・・・もっと一緒にバスケしたかったよ・・・。」

「すればいいじゃねーか。いずれは帰ってくるんだろ?」

「・・・ッそうだね」

出来ないから、こんなに辛いんだよ?
でも、皆には言いたくない。内緒にしておきたい。

「じゃあ、気を取り直してパーティするっスか!」

「うんっ」

なんか、この頃泣いてばっかだな。
色々ありすぎて、毎日が大変だったなぁ・・・。


その後はゲームとか、お菓子食べたり楽しい時間を過ごした。






「っぎゃ〜っっ、そのタンスはさつきとやるからいい!」

「なんか、色々出てきたぞ」

「全く、バスケバカ過ぎる部屋なのだよ」

なんか、皆が荷造り手伝ってくれると言って家に来てくれたんだけど・・・
皆荷造り以外に興味がいってるよ・・・

「もうっ、手伝う気無いなら帰ってよ!」

「杏奈、案外胸デケーんだな」

「死ね〜!!このアホ峰!!!」

松葉杖を大輝にお見舞いしてやった。
さっと、大輝の手から下着を奪い取る。

「さつき助けて〜っ」

「峰ちんサイテ〜」

「ホントですよ。部屋から出しましょう」

もう、やだ。
ホントにやめてくれ。

でも、楽しい。
皆で騒いで最後の夜を過ごした。










「じゃあ、またね」

「杏奈ちゃん!また電話してね!」

「また、帰ってきたらバスケしよーな」

バスケという言葉が、胸に突き刺さる。
1on1くらいなら出来るんだろうか。まあ、やっちゃうけど。


結局、征十郎は空港に来なくて、伝えられていない。

しょうがない、電話で済ませようとしたら電話に出ない。
何してるんだあいつは。

「・・・そろそろ行くわ。また、絶対会おーね」

そう言って背を向けた。
征十郎に、最後に会いたかった。

「・・・っ、あ〜も「杏奈!」

征十郎の声が、ホールに響いた。
ブワッと涙が溢れ出す。

「征・・・十郎、あのね・・・」

「杏奈・・・」

「「別れよう」」

ほぼ同時だった。

「っ、あたし、征十郎のこと嫌いじゃないよ?」

「俺もだ」

それでも、距離を置かなければいけないこともある。
気持ちだけじゃどうにもならない。


中学生なのに、どうしてこんな思いをしないといけないの?


なんで、もっと違う出会い方が出来なかったんだろう。


ギュッと抱き合って、誓った。

「「絶対、また会おう」」


絶対、また最初からやり直そう。

出会いから、やり直そう。






あたしは、日本を発った。