二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 ( No.29 )
- 日時: 2012/06/20 18:02
- 名前: ハルはる (ID: XMOub5JC)
第7Q 『バスケをやる理由』
「56対102で帝光の勝ちです」
「「ありがとーございました!!」」
差は、あんまり開かなかったけど。
途中から、楽しくなかったけど。
まあ、結果オーライかな。
「白崎ありがとな。すごいわお前」
「いえ、あたしは協力しただけですから。勝てたのは皆で力を合わせたからですよ。・・・でも、途中からすいませんでした。あまりにも相手がむかついたものですから・・・」
「いいよ。勝てたし、あいつらむかついてたのは俺らだって同じだよ」
「そーだ。いいじゃないか、最初はめちゃくちゃ楽しかったしなぁ」
「・・・はい!」
先輩達と別れ、あたしは女子トイレに入った。
早く着替えて、皆のところに行こう。
勝ったよって、言おう。
「・・・お父さんにも話したいなぁ」
今はアメリカに居る、あたしのお父さん。
あたしが、バスケをやる理由—————・・・
数年前、まだあたしが日本に居た頃のお話
「おとーさん!今日6回連続で3P入ったんだよ!」
「お〜すごいなぁ、杏奈は頑張りやさんだな」
あたしのバスケの才能が、開花し始めた頃。
あたしのお父さんは、日本代表チームのキャプテンで、元アメリカの有名なチームのエースだった。
お母さんはインターハイ3年連続優勝チームのエース。元日本代表。
まあ、いわゆるあたしはサラブレッドっていうやつで・・・
ミニバスでも、‘MVP女王’って呼ばれているらしい。
どうでもいいけど。呼び名なんてくそくらえだ。
でも、ある日・・・お父さんが練習中に倒れた。
軽い貧血だろう、と医者は言ってたのに、
本当はがんだったんだ。
でも初期だったから、すぐに治った。
———でもバスケは出来なくなってしまって、お父さんは泣いていた。本当にお父さんはバスケが好きなんだなって思った。だから、どういう形であれ、バスケを続けようとしたお父さんを全力で応援した。
アメリカで、バスケのコーチに誘われたお父さんに、あたしはついていったのだ。
そして、お父さんの代わりにバスケを楽しもうって、強くなろうって誓ったの。
結果的に、あたしの才能は完全に開花し、アメリカでは有名な選手にな
ったんだけど。
そんなあたしを、なぜかお父さんは日本に送り出した。
理由は簡単だった。キセキの世代っていう人達がいて、日本なら男子と混ざってバスケをしていいってことだったから。
今ではお父さんに感謝している。
日本に戻ってきて、もっとバスケが楽しくなった。強くなれる気がした。
なにより、皆に出会えたことが、一番嬉しい。