二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜天才少女〜 ( No.56 )
日時: 2012/06/26 17:51
名前: ハルはる (ID: H1c8Uwl2)

熱い。痛い。

「っ・・・!?っ」

目を覚ました時、目に入ってきたのは涼太の顔。
ビックリしてついつい、

パァンッ
「痛ってぇ!スよっ、ひどいっスよ杏奈っちぃ・・・」

平手打ちを・・・かましてしまいました。

「ごめん、いきなり顔が目の前にあったからついつい癖で」

「「癖??」」

まあ、そのうちに話すよ。・・・それより、

「頭痛が痛い・・・」

「プッ・・・頭痛が痛いって・・・」

「日本語おかしいっスよ・・・杏奈っち」

腹を抱えて笑いをこらえる、大輝と涼太。
うるさいな、あたしは国語苦手なんだよ!!ていうか病人をいたわれ!

「もぅ・・・うるさいな、ところで皆は?」

「ゲームの最中っス。」

重い体を起こして体育館を眺める。
この二人以外は皆コートの中だった。

「そぅ・・・、あ〜だるい、」

バタリとまたその場に倒れる。
ガンガンと頭が痛い。クラクラするし、なんだか気持ち悪い。

「んん・・・、」

ゴロンと寝返りを打って皆を見た。
あれ、テツヤがいないな・・・ミスディレクション中っすか

「杏奈っち、相当熱あるっスよ。38.7℃」

「まじか、馬鹿は風邪を引かないっていうけど、あたしは馬鹿じゃないわけだ」

「・・・杏奈っちは馬鹿っスよ」

「ヒドー」

「なんで具合悪いのにゲームやったんスか」

「・・・赤司様の言うことは?」

「絶対っス」

「ふふっ、まあ、それだけじゃないけど。
ただ、バスケが好きだから・・・かなぁ。具合悪くてもやりたいんだよねぇ」

ボーっと征十郎を見る。
あらためてみると、すごい上手いし、かっこいい・・・かも?

「やっぱり、尊敬するっスわ。誰も勝てないっス」

「ん〜?もう涼太には負けそうだよ〜?」

「そういう意味じゃないっスよ。そのバスケへの気持ちには誰も敵わないってことっス」

「はは、どうかなぁ〜?」

「杏奈、帰った方がいいんじゃねぇ?」

あぁ、まあそうだね。でもまだ皆のバスケ見たいからなぁ。
どうしようか、と唸っていると、ピーッと試合終了の笛が鳴り響いた。

「お。終わったみたいだね」

「杏奈。」

「う〜ん・・・、でも家帰っても誰もいないしなぁ」

こっちに帰ってきてるのはあたしだけだし。
まだ帰んない。そう言おうとした時だった。

パサッとジャージが降ってきた。

「ん?」

「白崎、後で全員で送るから、温かくして待ってろ」

「あ、ありがと」

ドクンドクン・・・
なんだ?動機がするぞ?
あぁ、そうか、あたしは・・・・





風邪だったんだっけ。

「じゃあ・・・お願いするわ。1人で帰んの厳しいし。」

「あぁ。」

ギュッと征十郎のジャージを握る。

「征十郎っていい匂いだね」

「変態がここにいる〜」

「敦っ失礼な!」

「白崎、失望したぞ」

「ちょっと征十郎までっっ、酷い」

ククッと笑いながら見下ろしてくる。
いや、だってほんとのことだし?お父さんの匂いに似てるんだもん。
・・・いや、加齢臭じゃないからね?

「まあ、寝てなよ。すぐ終わるから」

「うん・・・」

そのまま目を閉じて、アメリカのことを思い出した。
お父さんと、お母さんと、あたしの兄弟みたいなやつら。
アメリカに行かなかった兄ちゃんのことも思い出した。・・・そういえば、兄ちゃんにまだ会ってないな。


あたしは再び意識を手放した