二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.gray-man -存在の証- ( No.39 )
日時: 2012/06/19 20:56
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

         第六夜 -盲目の辛さ-


「あらあ〜。新入りさ〜ん?これまた可愛い子が入ったわね〜」
「...たぶんジェリー」

—眼が見えないから誰かわからん

 食堂に着き、料理長と出会う。オカマの為、ルークは嫌っている。しかし、そのキャラを慕っている人は多い。

「Aランチ」
「はあい」

 アレンとルークは、別々の机に座った。正確に言えば、ルークが避けた。

—ルーク、眼が見えなくても食べれるんでしょうか...。

 ルークは黙々と手を進める。このような習慣は慣れているのだろう。すぐに食べ終わった。

「ご馳走様でした」

 人にぶつかりそうになっても、すぐに寄ける。食器を片付ける時も、眼が見えてる状態のように、アッサリと。アレンは唖然としていた。

—...血が止まった。

 包帯を取り、眼を確かめる。血は止まり、いつもの風景を見渡すことができた。と同時に

「!?う...ああああああああああああああああああああああ!!!」

 とんでもない激痛に襲われた。周りのファインダーはルークに眼を移し、近寄る。背中を摩り、気を使う。アレンが心配して来ると、激痛はもっと激しくなった。

「ルーク!?どうしたんですか!?」
「う・・・ぐううううう!!」
「ルーク!?」
「あ...リナリー!」

 ルークはすぐに治療室に運ばれた。アレンと神田が任務に行って一時間後、ルークは眼が覚めた。

「大丈夫かい?ルーくん」
「...イノセンスに触れただけ」
「アレンくんの...かい?」
「...」
「当分任務は出来そうにないね」
「...」

 イノセンスに触れる度、ルークに激痛が走る。その為か、室長はルークに任務を与えない。

「俺...任務行く」
「駄目だよ。しばらくは」
「速く見つけたいんだ。お父さんを...」

 涙を流すルークを、優しい手で頭を撫でる。ルークがどれ程苦しい思いをしているか、コムイにはわからない。でも、自分が想像している以上に辛いのは知ってる。だからこそ...頭を撫でる事が出来た。

「大丈夫だよ。何よりアレンくんが来てくれたからね。きっと...見つかるよ」
「...」

 ルークはまた、深い眠りについた。幼かった、あの頃の自分が引き寄せたかのように。

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「おはようございますルーク」
「千年伯爵様...おはようございます」
「千年公でいいよ〜ルーク」
「ロード...様......」
「呼び捨てで良いって〜」
「...じゃぁ...ロード。千年公」
「うんw」