二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -存在の証- ( No.56 )
- 日時: 2012/06/28 14:46
- 名前: ラン (ID: qs8LIt7f)
第八夜 -ロボの暴走-
「あ、神田。今の音って何ですか?」
「知るか。俺に話しかけるんじゃねー。もやし」
相変わらず仲が悪いのか良いのかわからない。いや、悪いのだろうか。二人が眼を合わせる時は、いつも睨み合っている。
「でも...事故とかだったら」
「ふん。朝っぱらからうるせー奴だ」
素直じゃない神田。でもルークは、そんな神田に憧れていた。強くて、かっこよくて。いつも何かを探して進んでいる、彼の背中が。ルークにはたくましく、凛々しく見えた。
「あら。おはようルーク。アレンくん」
「...はよ」
「おはようございます。リナリー、さっきの音は?」
「きっと、科学班が何か実験してるのよ」
食堂に行こうとしても、リナリーが必死にアレンを止める。ルークは対して止めはしないが。結局、二人は室長室へコーヒーを届ける事になった。
「兄さん〜コーヒー入ったわよ〜」
「わっ!何これ!?」
「みんなもいかが?」
「君も来たんだ」
「運ぶのを手伝って貰ったの」
みんなの視線の先は、大きなロボット。コムイが作ったコムリンⅡ。コムリンⅠは、神田とルークが壊した為、コムリンⅡと名付けられた。
—見た目は変わったな。
コムイのマグカップを掴み、コーヒーを飲む。そこでみんなは疑問に思った。
「このロボット...コーヒー飲むんですか?」
「何を言っているんだね君はーwいくらボクの分身とは言え、ロボットだよ?まさかロボットがコーヒー...」
「飲んでるぞコムイ」
「え?飲んでる〜...」
「飲み干しました...」
ジリリリリという音と共に、コムリンⅡが赤くなって壊れた。熱いものを飲んだ為、どこかが故障したのだろうか。
「えぇえぇえ?!」
「私は...コムリン...エクソシスト...強くする......」
「ぇ!?」
「おっ流石はコムリン。それでいい!」
「ちょっと室長。なんかコイツ様子おかしいっすよ!?」
「ヒック......ヒック...」
「兄さんったら...」
ルークは危険を速やかに感じ、室長室を後にした。一人だけ逃げるのはどうかと思うが、ルークは元々人混みが嫌いなのだ。
—どうなっても俺には関係ない。
責任は取らないという風に、食堂へ向かった。ジェリー達が迎えてくれて、料理の手伝いを頼まれた。人が多くても抜け出せないルークの姿は、なんだか可愛く見えた。
—まだあっちの方がマシだったわ...。
次々と料理が出来上がり、アレンの歓迎会の準備は整った。後は...
—コムリンⅡが壊せるかどうかだな。俺と神田は一撃だったけど。