二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -存在の証- ( No.67 )
- 日時: 2012/06/30 13:25
- 名前: ラン (ID: qs8LIt7f)
第十一夜 -ついに外出-
「ボクが...強くなれるの?」
「そうだ。俺に付いてくれば...必ず」
「なりたい。強くなりたい!」
「...ならば契約をしよう」
「契約?」
王冠はイノセンスだった。それも...意地悪な、闇のイノセンス。
「お前の闇が必要だ」
「闇...?なんでもあげるから強くしてよ!」
まだ幼かったルークには、この言葉の意味はわからなかった。闇は、ルークの心の闇。適合したら、ルークの心は闇に染まる。今の明るい性格とはま逆に、無口な性格へと変わる。そして...少しづつ、過去の記憶が消されていく。
「...よい。では自分に命令を下せ」
「え?」
「その命令に従った時。お前の力はより一層強くなる」
「本当!?じゃぁ...<お父さんに出会う>これで良い?」
「...よい」
そう言うと、イノセンスは光った。ルークの頭に自然とゆっくり乗り。そしてルークは目を開けた。
「...」
ルークの性格は一変した。そして旅を出た。母の記憶も忘れ、生まれ故郷も忘れ。旅の途中、急に目の前に現れた赤髪の男性。仮面を半分かぶり、たばこを吸っている。
「お前...エクソシストにならないか」
「は?」
「強くなれる」
「!...」
ルークは迷わず、その男...クロスについて行った。ルークの最初の目的は、<父親を探す>だった。でも直に、<強くなる>へと変わっていた。クロスは何もしない。何も教えない。ただ、ルークにアクマを破壊させようとした。
でもルークは破壊しない。もしそれが父親だったら。強くなんてなれないんだと。
「お前...エクソシストにならないか」
自分の父親をアクマにした、自分より少し年上の少年に話しかけた。それがアレンだった。ルークはクロスと共に、アレンをずっと見ていた。そしてアレンと共に成長し、アレンより先に黒の教団に派遣された。
「そんな事が...」
「ルーくんは探しているんだ。父親をね」
「...コムイさん」
「?」
「ルークと一緒に任務に行かせてください」
「!!」
「アレンくん!?」
アレンは本気でコムイの眼を見ていた。コムイはその視線をしっかり受け止め、決心をした。
「わかった。ルーくんを頼んだよ」
「はい」
アレンは笑顔でコムイに言った。心配かけないように。たとえどんな事があろうと、絶対守るからと...。
コンコンとルークの部屋を叩く。ルークはあっさり扉を開けた。
「ルーク」
「...」
「任務に行きましょう」
「...!」
「コムイさんから許可頂いたので」
「行きましょ。ルーク」
「...」
ルークは黙って、二人について行った。ありがとうと心で呟いて。